忙しい日々の中で、ふと感じる悩み。
「疲れがとれない…」
「なんとなくだるい…」
そんな時、「食事が原因かもしれない」と思ったことはありませんか?
仕事や家事に追われる中で、コンビニ弁当やパン、カップ麺で済ませてしまうことが増えていませんか?
確かに忙しいと、食事の時間を確保するのも一苦労ですが、実はこの食生活が私たちの元気を奪っているかもしれないのです。
特に、仕事や家事で忙しい毎日を送る方々にとって、栄養バランスを意識することはなかなか難しいこと。
しかし、

このブログでは、忙しいあなたでも取り入れやすい食事の改善法をお伝えします。
世界保健デーをきっかけに、自分の「食べ方」を見直し、元気な体を手に入れるための一歩を踏み出してみましょう。
『疲れが取れないのは、“食べ方”のせいかも?』忙しいあなたのためのプチ改善術
こんにちは!あまが台ファミリークリニックの森川です。
当ブログをご覧いただきありがとうございます。
私は現在、年間200件以上の栄養指導を行っており、日々たくさんの患者さんとお話をさせていただいています
食事は、毎日のこと。
だからこそ「ちょっとした工夫」で体も心もぐっと元気になります。
このブログでは、専門的な知識をできるだけ分かりやすく、そして「すぐに使える」情報としてお届けしていきます。
健康で笑顔あふれる毎日を応援するために、
✔ バランスの良い食べ方
✔ ちょっと役立つ豆知識
など、幅広く発信していきます!
みなさんの「食べること」がもっと楽しく、心強いものになりますように。
どうぞよろしくお願いします♪
1.そもそも「栄養」ってなに?体に必要なヒミツを解説!
「栄養」とは、体を動かすエネルギーになったり、体そのものを作る材料になったりする、健康の土台となる成分のことです。食べ物から栄養を取り入れることで、私たちは元気に活動したり、病気から体を守ったりすることができます。
栄養素は大きく分けて、主に以下の2つのグループに分かれます。
① エネルギーを出す栄養素
体や脳を動かす「燃料」のような存在です。
・炭水化物(糖質)
ご飯、パン、うどん、パスタ、いも類、バナナなど
⇒ 脳のエネルギー源としても使われるので、朝食にしっかり摂ると集中力アップにもつながります。
・脂質
植物油、バター、ナッツ、アボカド、青魚(サバ・イワシ)など
⇒ 少量でも高エネルギー。細胞の膜を作ったり、ホルモンの材料になったりと、体にとって必要な栄養です。
② 体を作る栄養素
筋肉や骨、内臓、皮ふなど、体の“材料”や“守り”を担う大切な栄養素です。
・たんぱく質
肉、魚、卵、大豆製品(納豆・豆腐)、乳製品(牛乳・ヨーグルト)など
⇒筋肉や血液、皮ふ、髪、免疫細胞などを作る材料になります。
・ビタミン
野菜、果物、きのこ類など
⇒ 体の調子を整えたり、疲れにくくしたりする「サポート役」。
ビタミンCは風邪予防、ビタミンB群は疲労回復に◎
ミネラル
海藻類、魚介類、牛乳、ごま、小松菜など
⇒ 骨を強くしたり、血液を作ったり、神経や筋肉の働きを整える役割があります。
例えば、「パンとコーヒーだけの朝食」では炭水化物は摂れても、たんぱく質やビタミンが不足しがちです。
「いろいろな食品を組み合わせて食べること」が、健康を支える第一歩です。
2.栄養不足になるとどうなるの?体のSOSサインに気づこう!
栄養が足りないと、体にいろいろな不調が起きることがあります。
〈例〉
・脂質不足・・・乾燥肌
・たんぱく質不足・・・筋肉量・免疫力低下・傷の治りが遅くなる
・ビタミンやミネラル不足・・・病気にかかりやすくなる、疲れやすくなる
(特に、成長期の子どもや若者は、栄養が不足すると十分に体が成長できなくなったり、免疫力が下がって風邪をひきやすくなったりすることがあります。)
また、栄養が不足することだけでなく、食べ過ぎも問題です。
食べ過ぎると、体に余分なエネルギーがたまることで、肥満になったり、生活習慣病という病気になりやすくなります。(※2)
3.健康のカギは毎日の食事!何を食べればいいの?
では、どんな食べ物を摂ることが健康に良いのでしょうか?
健康を保つためには、毎日の食事でさまざまな栄養をバランスよく摂ることが大切です。
以下のような食べ物を意識的に摂ることがポイントです。
①炭水化物と脂質
ご飯やパン、麺などの炭水化物は、エネルギーを補うために必要です。
ただし、白米や白いパンよりも、玄米や全粒粉のパンを選ぶと、より栄養が豊富です。
また、脂質も適量が大切で、オリーブオイルや魚に含まれる良い脂質を摂るようにしましょう。(※3)
〈例〉
・白米→玄米、もち麦、雑穀米に置き換え
・肉よりも魚を多めに取り入れてみる
・油を使う時はオリーブオイルを使ってみる
・アマニ油やエゴマ油を小さじ1杯分料理にかけて食べる
②たんぱく質を含む食べ物
鶏肉や魚、卵、大豆製品(豆腐や納豆など)などは、
筋肉や骨を作るために必要なたんぱく質を多く含んでいます。
これらをしっかり食べることが大切です。
1食当たり片手の平に乗るくらいが目安です。(※4)
【よくある質問!】
Q.プロテインは飲んだ方が良いのですか?
A.食事で十分なたんぱく質を取れるのであれば、
あえてプロテインを飲む必要はありません。
高齢者など食事量が減ったりしている方で、
食事から十分なたんぱく質が取れない場合などに、プロテインをオススメしています。
③野菜や果物
野菜や果物にはビタミンやミネラルが豊富に含まれていて、免疫力を高めたり、体を元気に保ったりするためにとても重要です。
両手のひら山盛り3杯分が1日の目安量になります。(※5)
4.ちょっとした工夫で変わる!栄養バランスの整え方
「バランスの良い食事」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、いつもの食事にほんの少し工夫を加えるだけで、栄養のバランスをぐっと整えることができます。
昼食:サンドイッチ+野菜をプラス!
サンドイッチを食べるときは、レタス、トマト、アボカド、にんじんの千切りなどを
たっぷりはさむと、ビタミンA・C、カリウム、食物繊維などが摂れます。
コンビニで選ぶなら、「野菜ミックスサンド」や「チキンサンド+野菜スティック」の
組み合わせもおすすめです。
朝食:フルーツやヨーグルトをひと工夫!
食パンやおにぎりだけの朝ごはんに、みかん、キウイ、いちごなどのフルーツを添える と、ビタミンCや食物繊維が補えます。
無糖ヨーグルト+バナナ+ナッツといった組み合わせも、腸内環境を整えるのに◎です。
・夕食:たんぱく質+野菜の彩りを意識!
魚や鶏肉を主菜にした献立に、小松菜とにんじんのごま和えやブロッコリーとパプリカの 炒めものなど、彩りの良い副菜を1品加えると、ビタミン・ミネラルが自然と摂れます。
味噌汁にもわかめ・豆腐・きのこなどを入れると、栄養価がアップします。
「+1品」「+1色(赤・緑・黄などの食材)」を意識するだけで、体も心も整いやすくなります。
5.食事だけじゃない!心と体を整える生活習慣のヒント
心の健康を保つためには、食事だけでなく生活習慣全体を整えることが大切です。
バランスのとれた食事に加え、「よく眠る」「体を動かす」「ストレスとうまく付き合う」ことが、心と体の健やかさを支えてくれます。
①十分な睡眠
睡眠は、心の回復に欠かせない“こころの栄養”とも言えます。
成人の場合、目安として1日7〜8時間の睡眠をとることが推奨されています。
特に
「毎日同じ時間に寝起きする」
といった睡眠リズムの安定が、質の良い眠りにつながります。
睡眠が整うと、食事で摂った栄養が体にしっかり届き、心もリフレッシュされやすくなります。
②適度な運動
運動をすると、脳から「エンドルフィン」と呼ばれる幸せホルモンが分泌され、
ストレスを和らげたり、前向きな気持ちを引き出してくれたりします。
いきなり激しい運動をする必要はありません。
・毎朝15分のウォーキング
・家の中で軽くストレッチやラジオ体操
・エレベーターではなく階段を使う
など、日常の中にちょっとした“動き”を取り入れるだけでも効果があります。
③ストレス管理
ストレスは誰にでもあるものですが、ため込まず、こまめにリセットすることが心の健康には大切です。
・ゆっくりと深呼吸をする(4秒吸って、8秒かけて吐く)
・好きな音楽を聴く
・湯船に浸かって体を温める
・日記やメモに気持ちを書き出す・友人や家族とおしゃべりする
また、「これは自分にとって心地よいな」と感じる趣味やリラックス法を見つけておくのもおすすめです(※9)。
まとめ:今日からできる、健康を守る第一歩!
いかがだったでしょうか。
世界保健デーをきっかけに、私たちの健康について改めて考えてみてはいかがでしょうか?
特に栄養は、私たちの体を元気に保つために欠かせないものです。
毎日の食事でバランスよく栄養を摂ることが、病気を予防し、元気な体を作るための第一歩です。
新年度も始まり新しい生活が始まった方もいると思うので、自分にとって最適な食事と生活習慣を見つけ、毎日を元気に過ごしていきましょう。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。(※10)
関連ブログ



参考文献
- 日本栄養学会. 「栄養素とその働き」. 日本栄養学会.
- 世界保健機関(WHO). 「栄養不足が引き起こす健康リスク」. 世界保健機関.
- American Heart Association. “Healthy Eating for a Healthy Heart.” AHA.
- 鈴木一郎, “たんぱく質と健康”, 栄養学会ジャーナル, 2020.
- 農林水産省. 「野菜と果物の栄養」. 農林水産省.
- 日本食事摂取基準, 厚生労働省, 2019.
- 「睡眠と健康」, 日本睡眠学会.
- “運動と健康: 心身の効果”, National Institutes of Health, 2022.
- 日本心理学会. 「ストレスと健康の関係」. 日本心理学会.
- WHO, “Nutrition and Health,” World Health Organization, 2021.