マンジャロとオゼンピックの違いは?効果・費用を医師が徹底比較|あまが台ファミリークリニック|【茂原・長生郡

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【茂原・長生郡】マンジャロとオゼンピックの違いは?効果・費用を医師が徹底比較|あまが台ファミリークリニック

「マンジャロとオゼンピック、名前は聞くけど何が違うの?」
「自分にはどちらの薬が合っているんだろう?」
悩む 女性-糖尿病
こんな悩みを抱いている方は少なくないと思います。そんな方には今回のブログがきっと役に立つと思います。

こんにちは。
医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック 院長の細田俊樹です。
プライマリ・ケア(総合診療)を専門に医師として25年目になります。
(家庭医療専門医、日本糖尿病学会正会員)
年間5,000人以上の糖尿病の患者さんを診療しております。
「マンジャロとオゼンピック、名前は聞くけど何が違うの?」
GLP-1治療をご検討中の方から、このようなご質問をよくいただきます。
そこで今回は、糖尿病治療と体重管理のキーとなる2つの代表的な薬剤「マンジャロ」と「オゼンピック」について、「効果」「費用」という2つの重要なポイントから、詳しく比較・解説します。

一目でわかる!マンジャロ vs オゼンピック比較表

項目 マンジャロ オゼンピック
効果のメカニズム GIP/GLP-1(2種類)に作用 GLP-1(1種類)に作用
体重減少効果 非常に高い(※1) 高い
血糖改善効果 非常に高い(※1) 高い
使い方 週1回の自己注射 週1回の自己注射
保険適用の条件 2型糖尿病 2型糖尿病
費用の目安 やや高め 標準的

オゼンピックには GLP1がはいっており

マンジャロには GLP1と GIP の両方が含まれていますが、GLP1と、GIPとはどんなホルモンですか?

院長
院長

よく気付きました。それがわかると、なぜ、マンジャロのほうが体重減少効果が高いのか理由が納得できると思います。

GLP-1とGIP:血糖値を下げる「お助けホルモン」

まず、私たちの体には、食事をすると血糖値が上がるのを抑えるために、いくつかのお助け役のホルモンが働いています。GLP-1(ジーエルピーワン)とGIP(ジーアイピー)もその一つです。

これらのホルモンは、食事をして食べ物が腸に届くと、腸から分泌されます。

例えるなら、これらのホルモンは「チームで働く消防士」のような存在です。

1. GLP-1:血糖値の火消し役(消防士の隊長)

GLP-1は、血糖値を下げるために、司令塔として複数の働きをします。

すい臓への合図:

  • 血糖値が上がったときに、「インスリンを出しなさい!」とすい臓に働きかけます。インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。
  • 同時に、「グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)は出すのをやめなさい!」と指示を出し、血糖値が上がりすぎるのを防ぎます。

食欲の抑制:

  • 脳に「もうお腹いっぱいです」という信号を送り、食欲を抑えます。

胃の動きをゆっくりに:

  • 食べ物が胃から腸へゆっくり移動するように調整し、食後の急激な血糖値の上昇を抑えます。

2. GIP:GLP-1のサポート役(消防士の副隊長)

GIPも、GLP-1と同様に、血糖値のコントロールを助ける重要な役割を担っています。

すい臓への直接的な働きかけ:

  • GLP-1と同じように、すい臓に働きかけてインスリンの分泌を促します。
  • GIPは、インスリン分泌をより強力に助けることが分かっています。

脂肪細胞への働きかけ:

  • 最近の研究で、GIPには脂肪細胞に働きかけて、脂肪の蓄積を抑える働きがあることも分かってきました。

なぜこの2つが重要なのか

  • GLP-1は、インスリン分泌を促し、食欲を抑えるなど、多様なアプローチで血糖値を下げます。
  • GIPは、GLP-1の働きを強力にサポートし、特にインスリン分泌を強く促す役割を持っています。

次のステップとして、マンジャロとオゼンピックが、この2つのホルモンにどのように作用するかを説明することで、両者の違いがより明確になります。

GLP-1とGIP:マンジャロとオゼンピックの違い

前回解説したGLP-1とGIPの働きを理解すると、マンジャロとオゼンピックの違いがより明確になります。これらの薬剤は、体内の「お助けホルモン」の働きを模倣することで血糖値をコントロールします。

オゼンピック(セマグルチド)

  • 作用メカニズムGLP-1にのみ作用する薬剤です。
  • 特徴:体内のGLP-1の働きを強力にすることで、インスリン分泌を促し、食欲を抑え、胃の動きをゆっくりにするといった効果を発揮します。これにより血糖値を下げ、体重減少をサポートします。
  • 例えるなら:「GLP-1の働きをブーストする」ことで、血糖値コントロールに特化した薬剤です。

マンジャロ(チルゼパチド)

  • 作用メカニズムGLP-1とGIPの両方に作用する薬剤です。
  • 特徴:オゼンピックのGLP-1作用に加え、GIPの作用も高めます。GIPはインスリン分泌をより強力に促し、脂肪細胞にも働きかけるため、マンジャロは血糖コントロールと体重減少の両方において、より高い効果が期待されています。
  • 例えるなら:「GLP-1とGIP、両方の消防士を動員する」ことで、より広範囲で強力な血糖値と体重のコントロールを実現します。

二つの違いのめとめ

薬剤名 主な作用メカニズム
オゼンピック GLP-1受容体作動薬
マンジャロ GLP-1およびGIP受容体作動薬

マンジャロは、オゼンピックのGLP-1作用に加え、GIPの作用を併せ持つため、「デュアルアゴニスト(二重作動薬)」と呼ばれています。これにより、糖尿病治療における新たな選択肢として注目されています。

【比較1】「効果」の違いは?より強力なのはマンジャロ

以上がマンジャロとオゼンピックの作用の違いについて説明しましたが、結論から言うと、体重を減らす効果も、血糖値を下げる効果も、より強力なのはマンジャロです。(※1)

  • オゼンピック:食欲を抑える働きを持つホルモン「GLP-1」だけに作用します。
  • マンジャロ:GLP-1に加えて、もう一つのホルモン「GIP」にも同時に作用します。2つの方向からアプローチするため、より優れた体重減少・血糖改善効果が報告されています。(※1)

どちらも優れた薬剤ですが、「より高い効果を期待したい」「BMIが高く、大幅な減量が必要」という方にはマンジャロがより適していると言えます。

太った 女性マンジャロ 

【比較2】「費用」の違いは?保険適用と自己負担額

どちらの薬剤も、医師が「2型糖尿病」の治療に必要と判断した場合にのみ、健康保険が適用されます。(※美容・ダイエット目的の自由診療とは異なります)

3割負担の場合の、おおよその薬剤費の目安は以下の通りです。

  • オゼンピック:月額 約4,000円~12,000円
  • マンジャロ:月額 約7,000円~14,000円

マンジャロは用量に応じて価格が変動し、オゼンピックに比べてやや高めの設定です。
治療は継続することが重要ですので、費用面も考慮して薬剤を選択することが大切です。

結論:あなたに合う治療法を一緒に見つけましょう

こんな人には「マンジャロ」が選択肢になりやすい方

・とにかく高い減量効果を求めたい方

・BMIが27以上など、肥満度が高い方

・HbA1cの数値をしっかり下げたい方

HbA1c 下がる体重計

こんな人には「オゼンピック」が選択肢になりやすい方

・標準的な減量効果で満足できる方

・治療費を少しでも抑えたい方

・まずはGLP-1治療を試してみたいという方

当院は特定の病気だけを診るのではなく、患者様の生活背景や他の健康課題も踏まえた「総合的な診療」を大切にしています。

そのため、どちらの薬が最適か、薬以外の治療法も組み合わせるべきかなど、幅広い視点からご提案することが可能です。

茂原市、千葉市などで、「どの薬がいいか相談したい」「信頼できるかかりつけ医に糖尿病を診てほしい」とお考えの方は、気軽にあまが台ファミリークリニックにご相談ください。

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もう一人で食事療法や治療法に悩むのは終わりにしましょう。私たちが、あなたの「これから」を一緒に考えます。

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参考文献

(※1)Frias JP, et al. Tirzepatide versus Semaglutide Once Weekly in Patients with Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2021;385(6):503-515. doi:10.1056/NEJMoa2107519

 

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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