【医師解説】糖尿病薬を減らせるの?薬を減量するための5つの条件【千葉・茂原から通院可能】

悩む 薬 男性 院長ブログ
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糖尿病の薬はやめられるのか?医師が正直に答えます

こんにちは。
医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック 院長の細田俊樹です。

私はプライマリ・ケア(総合診療)を専門に、医師として25年以上の経験があります。
現在は年間およそ5,000人の糖尿病患者さんを診察しており、日本糖尿病学会の正会員としても日々最新の情報を取り入れながら診療にあたっています。
集合写真

当院には管理栄養士が4名在籍しており、糖尿病治療においては「薬だけに頼らない、食事療法による改善」を重視しています。
患者さん一人ひとりに合った無理のない治療を提案することが、私たちの信念です。

さて、今回は糖尿病の診療していてよく患者さんから聞かれる質問について答えたいと思います。

糖尿病の薬って、やめられるの?

糖尿病の薬って一度始めたら止められないんですか?

多くの患者さんから聞かれる質問のひとつが、これです。

これについては私は

院長
院長

「やめられる方もいらっしゃいます。」

とお答えしています。

ただし、誰でも簡単にやめられるわけではありません。
やめられるかどうかには、いくつかの条件があります。

薬をやめられる方の3つの特徴

1. 糖尿病の初期段階である

診断されてからまだ間もない時期であれば、生活習慣の改善によって血糖が安定しやすく、薬を減らす余地があります(※1)。

2. 食事・運動など生活習慣に主体的に取り組めている

毎日の積み重ねが血糖コントロールに直結します。自己管理に前向きな方は、薬を減らしやすい傾向にあります(※2)。
糖尿病 治療

3. 血糖値や体重の改善がみられる

HbA1cが目標範囲内で安定し、体重も適正化されている場合には、医師の判断で減薬を検討できます。
HbA1c 下がる

とはいえ、薬をやめるのはやっぱり難しい?

はい、その通りです。実際、多くの方にとって薬の継続は現実的な選択肢です。

治療の目的は“飲まないこと”ではありません

糖尿病治療の本当の目的は、

  • 将来の脳梗塞や心筋梗塞を防ぐこと
  • 失明や透析といった重大な合併症のリスクを減らすこと
  • 健康寿命を延ばすこと

薬は、これらの目標を達成するための「手段のひとつ」です。
つまり、薬をやめることが「ゴール」ではなく、合併症を防ぐためにいかにうまく使っていくかが大切なのです(※3)。

たとえば、こんなふうに考えてみてください。

家の屋根が雨漏りしているとします。
そのとき、まずはブルーシートをかけて雨をしのぎますよね。これは“薬”にあたります。

でも本当の目的は「家を守ること」。雨漏りが落ち着いて、屋根をきちんと修理できれば、ブルーシートは外せます。

糖尿病も同じで、生活習慣の改善が進めば薬を減らせることがあります。でも、それまでは無理せず薬の助けを借りることが、未来の健康を守る近道なんです。

家

こんな声もよく聞かれます:

  • 「頑張ってもなかなか血糖が下がらない」
  • 「忙しくて運動や食事管理がうまくいかない」
  • 「年齢的にも体がついていかない」

これらはすべて、もっともな悩みです。

だからこそ、薬を使うこと自体は決して「悪いこと」ではありません。
薬は、血糖コントロールを支える大切な「補助輪」のような存在です。

薬の目的は“飲まないこと”ではありません

糖尿病治療の本当の目的は、

  • 将来の脳梗塞や心筋梗塞を防ぐこと
  • 失明や透析といった重大な合併症のリスクを減らすこと
  • 健康寿命を延ばすこと

薬は、これらの目標を達成するための「手段のひとつ」です。
つまり、薬をやめることが「ゴール」ではなく、いかにうまく使っていくかが大切なのです(※3)。
夫婦-2

当院では、薬に頼りすぎない支援をしています

当院では、4名の管理栄養士が食事療法を中心としたサポートを行っています。
薬を減らしたい方には、食事・運動・睡眠など生活全体を見直す「行動支援型の治療」を提案しています。

管理栄養士 小笠原さん

薬を減らすことは可能ですが、無理にやめることは推奨していません。
患者さんのライフスタイルや価値観に合わせて、最善の治療法を一緒に考えていきます。

まとめ

糖尿病の薬は、やめられる人もいます。
それは、まだ初期段階で、生活習慣の改善にしっかり取り組める方が中心です。

でも、薬を飲んでいることが失敗ではありません。
むしろ、体を守るために、必要なサポートを受けているということ。

院長
院長

糖尿病は、無理せず、長くうまく付き合っていくことが大切です。
薬も、栄養も、生活の工夫も。
あなたに合った方法を、私たちと一緒に見つけていきましょう。

当院は千葉県長生郡長生村にありますが、茂原市、一宮町、千葉市緑区、千葉市中央区など、車で30分〜1時間ほどの地域からも多くの患者さんが通院されています。

「薬をやめたいけど不安」「生活習慣を見直したい」と感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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参考文献

  • (※1)日本糖尿病学会 編. 「糖尿病治療ガイド 2024-2025」. 南江堂, 2024年, p.36-37.
  • (※2)Diabetes Prevention Program Research Group. “Reduction in the Incidence of Type 2 Diabetes with Lifestyle Intervention or Metformin.” N Engl J Med 2002; 346:393–403.
  • (※3)American Diabetes Association. “Standards of Medical Care in Diabetes—2024.” Diabetes Care. 2024; 47(Suppl 1):S1-S300.
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この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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