最近体臭が気になる…それ、糖尿病のサインかも?においの原因と対策を医師が解説

院長ブログ
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「最近体臭が気になる…」それ、糖尿病のサインかも?【千葉・茂原エリアからも通院可能】

  • 最近、体のにおいが気になる
  • 汗をかいていないのに服に独特のにおいが残る
  • 家族や同僚から「少しにおう」と言われた
  • 健康診断で血糖値やHbA1cが高めと指摘された

こうした方に、この記事はぜひ読んでほしい内容です。

こんにちは。
医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。
私は総合診療を専門に、日本糖尿病学会にも所属し、年間5,000人以上の糖尿病患者さんを診療しています。
糖尿病は「血糖値の病気」と思われがちですが、実は体臭や口臭にも深く関わる病気です。

糖尿病と「におい」の関係

「糖尿病で体が臭うなんて本当?」と思われる方も多いでしょう。
実は、血糖値が高い状態が続くと、体内で代謝異常が起こり、においの変化が現れることがあります(※1)。

理由①:脂肪が燃えるときに出る“ケトン体”のにおい

血糖がうまくエネルギーとして使えないと、体は代わりに脂肪を燃やしてエネルギーを作ります。
このとき発生するのが「ケトン体」と呼ばれる物質で、甘酸っぱい、または果物が腐ったようなにおいがすることがあります(※2)。
これがいわゆる「糖尿病のにおい」の正体のひとつです。

理由②:高血糖による皮膚の菌バランスの変化

糖尿病では汗や皮脂に糖分が含まれやすくなり、皮膚の常在菌バランスが崩れやすくなります。
その結果、雑菌が繁殖しやすく、ツンとしたにおいや汗臭さが強くなることがあります(※3)。
また、血糖コントロールが悪いと免疫力も低下し、皮膚感染(黄色ブドウ球菌やカンジダなど)を起こしやすくなるため、においの悪化が続くケースもあります(※4)。

理由③:糖尿病による自律神経の乱れ

長期間の高血糖は自律神経に影響を与え、汗の量や出る部位のバランスが崩れます(※5)。
そのため、脇や背中など一部だけ汗をかきやすくなり、そこからにおいが強く感じられることがあります。

でも、においくらい、誰にもあるでしょう??

確かに、誰でも汗をかけば多少のにおいは出ます。
ですが、糖尿病によるにおいの特徴は、日常的な体臭とは違う点がいくつかあります。以下の3つですね。

  • シャワーを浴びてもすぐに臭いが戻る
  • 衣服に甘酸っぱいにおいが残る
  • 家族から「前と違うにおい」と言われる

上のような汗の特徴があれば必ず糖尿病ではありません、こうした変化があれば、単なる汗臭ではなく、代謝の異常を示すサインである可能性があります(※6)。

「最近、体のにおいが気になる…」と思ったら、血糖チェックが第一歩です。

血糖値のチェック・相談をしてみる

においの変化は「血糖コントロールのサイン」

においは、体が発する“SOS”のひとつです。
においが強くなる背景には、血糖コントロールの悪化だけでなく、腎臓・肝臓などの臓器に負担がかかっている可能性もあります(※7)。
糖尿病治療では、数値だけでなく「体の変化」を早めに察知することが重要です。
においの変化をきっかけに受診された方の中には、早期発見で重症化を防げたケースも少なくありません。

まとめ:体臭の変化を見逃さないで

糖尿病によるにおいの変化は、

  • ケトン体による甘酸っぱいにおい
  • 雑菌繁殖による皮膚臭
  • 自律神経障害による汗バランスの乱れ

といった要因が重なって起こります。
「年齢のせい」「疲れのせい」と思い込まず、一度血糖値のチェックを受けてみましょう。当院では、千葉、茂原、大網白里など近隣からも来院されています。

においの変化が気になる方は、糖尿病専門医による早期チェックがおすすめです。

糖尿病専門外来の予約はこちらから

参考文献

  1. Dewan R et al. Body Odor as a Potential Diagnostic Biomarker for Diabetes Mellitus: A Review. Diabetes Metab Syndr. 2022;16(7):102556.
  2. Pappas A et al. Metabolic changes and volatile organic compounds in diabetic ketoacidosis. J Clin Endocrinol Metab. 2018;103(3):1235–1245.
  3. Shimizu T et al. Changes in skin microbiota and their metabolites in diabetes mellitus patients. Sci Rep. 2019;9(1):5695.
  4. Nishijima S et al. Cutaneous infections in diabetic patients: microbiology and clinical features. J Diabetes Investig. 2020;11(2):386–395.
  5. Vinik AI et al. Diabetic Autonomic Neuropathy: A Clinical Perspective. Diabetes Care. 2003;26(5):1553–1579.
  6. Tellez-Plaza M et al. Volatile organic compounds and metabolic disorders: evidence from human studies. Environ Health Perspect. 2020;128(5):056001.
  7. Forbes JM et al. Diabetic complications and oxidative stress. Nat Rev Endocrinol. 2018;14(10):599–612.

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この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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