【医師監修】糖尿病の食事とHbA1cの真実!間食や果物、カロリーゼロの罠とは|茂原市の総合診療専門医が解説

 

「糖尿病と言われたら、もう大好きな甘いものは一生食べてはいけないの?」

「カロリーゼロの飲み物やデザートなら、いくら飲み食いしても大丈夫だよね?」

「病院でHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という数値を言われるけれど、今日の血糖値と何が違うのかよくわからない」

 

あなたは今、このような疑問やストレスを抱えて悩んでいませんか。

皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。

私は医師歴25年の家庭医療専門医として地域医療の最前線に立ち、日本糖尿病学会正会員として年間約5000人の糖尿病の患者さんを診察している実績があります。

当院で行った患者さんへの実態調査でも、糖尿病治療で最も大変だと感じるのは「食事管理」であることがわかっています。

そして、治療の要となるHbA1cの数値についても、半数近くの方が「本当の意味はよくわからない」と感じていらっしゃいます。

今回は、皆さんが日々の生活で本当に知りたい「食事と数値の疑問」について、分かりやすく解説していきます。

疑問1:間食や甘いものは、絶対に食べてはいけませんか?

「糖尿病になったら甘いものは一切禁止」と思われがちですが、決してそんなことはありません。食べる量やタイミングを工夫すれば、甘いものを楽しむことは十分に可能です。

極端な我慢は強いストレスを生み、かえって反動による過食(ドカ食い)を招きやすくなります。

たとえば、「1日100kcal以内におさめる」「空腹時ではなく、食後すぐに食べる」といったルールにすれば、血糖値の急激な上昇(血糖値スパイク)を防ぐことができます(※1)。

「でも先生、少しでも甘いものを口にしたら、どうしても止まらなくなってしまいます。やっぱり完全に家から無くすべきじゃないですか?」

 

そのお気持ち、よくわかります。甘いものには強い依存性があり、目の前にあればついつい手が伸びてしまうのは、意志の弱さではなく脳の仕組みによる自然な反応です。

 

しかし、実は完全に家から無くしてしまう「ゼロか百か」の極端な対策が、かえって危険な落とし穴になることもあります。なぜ、あえて「無くさない」選択肢があるのか、その理由と具体的なコツを整理しました。

  1. 「禁止」が生むリバウンドの怖さ
    人間は「ダメだ」と言われるほど、その対象に執着してしまう心理があります。
    家で一切を禁止した結果、外出先やコンビニで反動によるドカ食いをしてしまい、結果的に血糖値を大幅に乱してしまうケースは珍しくありません。
    大切なのは、排除することではなく、あなたの生活に悪影響を与えない形に変換することです。

  2. 自分を責めるのをやめることの大切さ
    ついつい食べてしまった後、自分を責めていませんか。
    実は、強いストレスを感じると、脳はさらに糖分を求めてしまいます。
    一度の失敗を「終わり」と捉えず、明日からまた調整すればいいと考える余裕が、長期的な治療を成功させる鍵となります。

  3. 「ちょうどいい距離感」を作る3つの工夫
    どうしても止まらない場合は、物理的な工夫で解決しましょう。
    ・買い置きをせず、食べる分だけを個包装で用意する
    ・コーヒーや温かいお茶を先に淹れ、一口ごとに飲み物を挟む儀式を作る
    ・食べる場所をあらかじめ決め、テレビやスマホを見ながらの「ながら食い」を避ける

あまが台ファミリークリニックでは、こうした日々の小さな「困りごと」に対して、医学的な根拠に基づきつつ、あなたの生活スタイルを否定しない解決策を一緒に提案します。

糖尿病の食事療法において最も重要なのは、一時的な我慢ではなく継続できるバランスです。無理なダイエットでストレスを溜めるのではなく、日常のほんの少しの心がけで体を変えていく具体的な方法を一緒に見つけましょう。

我慢せずに続けられる食事療法について詳しく聞く

疑問2:カロリーゼロや果物なら、いくら食べても大丈夫ですか?

カロリーゼロ表示の飲料や、健康に良いとされる果物であっても、食べすぎや飲みすぎには十分な注意が必要です。

実は、日本の食品表示基準では「100g(飲料は100ml)あたり5kcal未満」であれば、「カロリーゼロ」と表示することができます。

つまり、完全にゼロというわけではありません。また、人工甘味料を長期間摂りすぎると、甘味に対する感覚が鈍くなり、かえって甘いものを欲するようになるという報告もあります。

さらに、果物にはビタミンや食物繊維が豊富ですが、吸収されやすく血糖値を急上昇させる「果糖」も多く含まれています(※2)。

「えっ、果物は自然のものだし、体に良いと思って毎朝お腹いっぱい食べていました。カロリーゼロのコーラも水代わりに飲んでいますが、それもダメなんですか?」

そう驚かれるのも無理はありません。世間一般では「果物は健康の象徴」ですし、「ゼロカロリーなら太らない」というイメージが強く浸透していますから、むしろ健康のために良かれと思って続けてこられたのですよね。その「体を良くしたい」という前向きな努力そのものは、本当に素晴らしいことです。

ただ、糖尿病の治療において知っておいていただきたいのは、食べ物の良し悪しよりも「今のあなたの膵臓(すいぞう)が処理できる量を超えていないか」という視点です。納得して取り組んでいただけるよう、その理由を3つのポイントに整理しました。

  1. カロリーゼロに隠された微量の糖分
    日本の法律では、100mlあたり5kcal未満であれば「ゼロ」と表示して良いことになっています
    コップ1杯なら問題ありませんが、水代わりに数リットルも飲めば、積み重なった糖分が血糖値に影響を与える可能性があります

  2. 果物は「自然界のスイーツ」である
    果物にはビタミンや食物繊維が豊富ですが、同時に血糖値を急上昇させる「果糖」もたっぷり含まれています。
    毎朝お腹いっぱい食べる習慣は、眠っていた膵臓に朝一番から全力疾走を強いているようなものです。果物の摂取自体は完全に否定されるものではありませんが、適切な量を知ることが重要です

  3. 甘味による脳の勘違い
    人工甘味料で「甘い」という感覚だけが脳に届き、実際にはエネルギーが入ってこないという状態が続くと、脳が混乱してかえって他の食事でエネルギーを欲したり、甘いものへの依存を強めたりすることがあります。

せっかくのあなたの努力が、知らないうちに数値を下げる足かせになってしまうのは非常にもったいないことです。

当院では、管理栄養士があなたの好みを否定することなく「バナナなら1日半分」といった、具体的で実行しやすい適量をアドバイスしています

一人で悩み、我慢し続ける必要はありません。あなたの今の生活を尊重しながら、医学的な根拠に基づいた「賢い食べ方」を一緒に見つけていきましょう。

あまが台ファミリークリニックの管理栄養士4名

当院では医師と管理栄養士がチームとなり、あなたのライフスタイルや好みに合わせた無理のない食事改善を全力でサポートします。保険適用による栄養指導も可能ですので、献立の悩みや外食の選び方など、何でもお気軽にご相談ください。

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※管理栄養士による個別指導が必要かどうかは、対面で医師の判断が必要です。

疑問3:HbA1cって結局何ですか?血糖値と何が違うの?

健康診断や病院で必ず言われる「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」は、採血した瞬間の血糖値ではなく、「過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均点」を表す非常に重要な指標です。

血液中の赤血球の中にあるヘモグロビンに、ブドウ糖がどれくらい結合しているかをパーセント(%)で表しています。

一度結合すると赤血球の寿命(約120日)が尽きるまで離れないため、食事の影響を受けにくく、ごまかしがきかない長期的な成績表となるのです(※1)。

「でも先生、今日の朝ごはんは抜いてきたから、今日の血糖値は正常だったんです。それなら大丈夫じゃないんですか?」

そのお気持ち、とてもよくわかります。
検査の日が近づくと、なんとなく「良い結果を出したい」という気持ちになって、当日の朝食を控えたり、数日前からいつも以上に運動を頑張ったりしたくなりますよね。
医者に怒られたくない、褒められたいという心理は、誰にでもある自然なものです。

しかし、糖尿病の治療において最も大切なのは、「検査当日の瞬間的な数値」ではなく、あなたが普段の生活をどのように過ごしているかという「真の実態」を知ることなのです。

納得して治療を続けていただくために、HbA1cが重視される理由を2つのポイントでお伝えします。

  1. 合併症を防ぐための「真実の成績表」
    糖尿病で本当に怖いのは、血管が傷ついて目や腎臓に影響が出る「合併症」です。血管を傷つける最大の原因は、あなたが病院に来ていない間の、普段の食事の後や寝ている間の高血糖です。
    当日の血糖値が正常であっても、HbA1cという「過去1〜2ヶ月間の平均点」が高ければ、血管は着実にダメージを受けています。
    HbA1cは、あなたが24時間、365日どんなふうに過ごしてきたかを正確に映し出してくれる、いわば「隠しごとのできない成績表」なのです

  2. 「その場しのぎ」が招く治療の遅れ
    当日の数値だけを良く見せようとすると、私たちは「今の治療でうまくいっているんだな」と判断してしまいます。
    本当はもっとお薬の調整が必要だったり、食事のアドバイスが必要だったりするのに、その機会を逃してしまうことになりかねません。これは結果的に、あなたの将来の健康を危険にさらしてしまうことになります

一人で悩まず、無理のない治療を一緒に見つけましょう

糖尿病の治療は、我慢ばかりの苦しい修行ではありません。正しい知識を持てば、今の生活を楽しみながら健康を維持することは十分に可能です。

当院は千葉県長生郡長生村にありますが、千葉市や茂原市からも多くの方が通院されています。

専属の管理栄養士も在籍しており、あなたの生活スタイルや好みを否定することなく、無理なく続けられる具体的な食事のアドバイスを行っています。

管理栄養士森川さんと患者さん

「これって食べてもいいのかな?」「自分の今の状態はどうなのかな?」と少しでも疑問や不安がある方は、一人で抱え込まずに、ぜひ一度私たちにご相談ください。

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「食事のことで悩んでいる」「数値の本当の意味を知りたい」という方は、自己判断せずにご相談ください。

専門医と管理栄養士が、あなたに最適な治療法を一緒に見つけます。

参考文献

  • ※1 日本糖尿病学会編 糖尿病診療ガイドライン2024
  • ※2 糖尿病治療ガイド2022-2023
この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属、日本肥満学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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