海外の学会で知った、“無理せず続く食事”の工夫を日常に

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海外の学会で知った、“無理せず続く食事”の工夫を日常に

笑顔 管理栄養士

皆さんこんにちは。
あまが台ファミリークリニック管理栄養士の小島です。

あまが台ファミリークリニックでは、管理栄養士による患者様への栄養指導を行っています。

当院の患者さまのなかには、「近くに相談できるクリニックが見つからなかった」と、茂原市や一宮町、千葉市など、少し離れた地域から通ってくださる方も少なくありません。
そういった患者さまからも「ここに来てよかった」と言っていただけるよう、丁寧な栄養指導を心がけています。

集合写真

 

実は、先日アメリカの糖尿病学会に参加してきました。

世界各国から研究者が集まり、最新の糖尿病に関する医療機器も紹介されており
とても興味深く、新たな出会いもたくさんあり楽しい学会となりました。

普段、2型糖尿病の関する食事について学ぶ機会が多くありましたが、今回は2型糖尿病だけでなく1型糖尿病に対しての食事コントロールにも使用できる「ワンプレートご飯」が簡単であらためて良いアイデアだと感じたので、皆様にも共有します!!

今回の内容は

・日々の食事を簡単に工夫したい

・バランスの良い食事をしたいけど面倒に感じている

・自分の身体に必要な食事バランスを簡単に知りたい

バランス

と思う方にピッタリのブログとなっています。

アメリカの糖尿病学会に参加してきました

笑顔 管理栄養士

改めまして、私は先日アメリカで開催された糖尿病学会(ADA)に参加してきました。

 世界中の糖尿病に関する専門家たちが集まり、糖尿病治療や予防に関する最新の研究や実践が共有されるこの学会では、私自身も多くの学びがありました。

食事療法に関しては「食事療法は続けられることが大切」ということをあらためて感じた学会でした。

理想的な栄養バランスでも、毎日続けるのが難しいとだんだんバランスが崩れた食事になりがちです。

完璧な食事 続かない

私は、アメリカでは「身近な食材をどのように組み合わせると健康的になるか」という視点が重視されていると感じています。

実際にアメリカの大学に通っていた友人に、栄養学の授業内容を聞いたところ、「ピザのトッピングをどのように選ぶと身体に良いか」など、日常的な食べ物を題材にした授業があったそうです。
ピザ

 また、私自身がアメリカのスポーツジムに通っていたときにも、
「ホットドッグやハンバーガーをどのように工夫すればヘルシーになるか?」といった話題がよく出ており、身近な食品を“どう工夫するか”を考える文化があると感じました。

一方で、日本では「パンをご飯に置き換える」や「テレビやインターネットで紹介された“身体に良い食材”を取り入れる」など、“何を食べるか”や“特定の食材を選ぶこと”に焦点が当たっている印象があります。(私自身も、ブログなどでよく食材の紹介をしています。)
ごはん パン

 

びっくり 管理栄養士

それぞれに良い点があり、アメリカの「身近な食品を工夫する視点」と、日本の「身体に良いとされる食材を積極的に取り入れる視点」、どちらもバランスよく取り入れることができれば、最強ですよね。

このブログをご覧になっている方は、きっと健康に対する意識が高く、日頃から情報収集をされている方だと思います。

実際に栄養指導をしていると、

よろこぶ 女性

「この食材が良いと聞いたので、毎日食べるようにしています」

といった声をよく耳にします。

もちろん、テレビやSNSなどで紹介された身体に良い食品を生活に取り入れることは、とても素晴らしいことです。

しかし、そういった知識をさらに生かすためにも、まずは基本的な食事療法の考え方を知り、実践していくことがとても大切だと私は感じています。

そしてそれらを組み合わせることができれば普段の食事を最強の食事に近づけることができると感じています。

笑顔 管理栄養士

そこで、今回はアメリカ糖尿病学会で学んだ「私のワンプレート」の作り方についてご紹介します。

 

日々の食事をワンプレートで管理してみましょう

みなさんは普段どのような食器を使って食事をしていますか?
今回の「私のワンプレート」は、直径25cm弱の食器を使用します。

基本の配分は次の通りです

  • 野菜・果物類:お皿の約1/2
  • 主菜(たんぱく質):1/4
  • 主食(炭水化物):1/4
  • ※フルーツや乳製品は別皿や小鉢で追加します。

ワンプレート

① 野菜類(プレートの約1/2)

食物繊維が豊富で、血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。
澱粉の少ない野菜を中心に盛り付けましょう。

 

例:

  • 生野菜サラダ(レタス・キャベツなど):60g(手のひら1杯)
  • 温野菜(ブロッコリー):150g(蒸し野菜1皿)
  • にんじんのグラッセ:60g(約1/2本)
  • ほうれん草のおひたし:70g
  • 大根の甘酢漬け:50g
  • ミニトマト:100g(6~8個)
  • その他:パプリカ、アスパラガス、きのこ類など

サラダ

② 主菜(たんぱく質)

お皿の1/4に、以下から1〜2種類を選んで盛り付けます。

例:以下から1つ

  • 鶏むね肉(皮なし):80g
  • 焼き魚(さけ・さば):80g
  • まぐろの刺身:80g(4〜5切れ)
  • ツナ缶(水煮):70g

または:以下から2つ

  • 卵:1個
  • 絹ごし豆腐:100g
  • 納豆:1パック
    厚揚げ:80g

③ 主食(炭水化物、プレートの1/4)

できるだけ精製度の低いもの(雑穀米、全粒粉パンなど)を選びましょう。

例:

  • ごはん(白米・雑穀米):100〜150g
  • 全粒粉パン:1/2〜1枚(5枚切り)
  • そば・うどん(乾麺):60g
  • じゃがいも:100g
  • さつまいも:80g
  • トルティーヤ:1枚
  • 餅:1個(50g)

お皿の法則

④ フルーツ(小鉢で)

果糖も糖質ですので、1回の摂取量はこぶし1個分(100g)を目安に。

例:

  • りんご:1/2個
  • みかん:1〜2個
  • いちご:5〜7粒
  • キウイ:1〜2個
  • もも:1/2個
  • スイカ:1/8個

fruit_apple_cut

⑤ 乳製品(適量)

・牛乳:コップ1杯(約240ml)

・またはヨーグルト:1カップ(無糖推奨)

★油やドレッシングは、良質な脂質(オリーブオイル・ナッツ・アボカド・サーモンなど)を選びましょう。
油を使って調理した際は、ドレッシングは控えめかノンオイルを選ぶと、カロリー調整になります。
sweets_yoghurt

3. 実際に考えてみましょう

では、実際にこのワンプレートを使って1食の献立を立ててみましょう!

【私の昼食の例】

  • ①野菜:
     温野菜(電子レンジで簡単に)+市販の袋入りサラダを活用
  • ②主菜:
     鶏もも肉(皮なし)を、トマトピューレ・塩・胡椒でシンプルに調理
     私は鶏むねよりも鶏もも派です!
  • ③主食:
     雑穀米を握りこぶし1つ分
  • ④フルーツ+乳製品:
     ヨーグルトにミックスナッツをトッピング、デザートにみかん1個

小島さんの食事
このように、プレートを使えば自然と栄養バランスが整いやすくなります。

また、お腹が空いてしまうときは、副菜や主菜の量を少し調整したり、納豆などを追加するのもおすすめです。

4. まとめ

「バランスの良い食事」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、アメリカ糖尿病学会で学んだワンプレート食事法は、とてもシンプルで取り入れやすいものでした。

特別な食材や極端な制限ではなく、「野菜を多めに」「たんぱく質をしっかり」「主食は適量に」という基本の考え方を軸にしています。

 

日本では“何を食べるか”に注目が集まりがちですが、アメリカで学んだように「身近な食材をどう組み合わせるか」という視点も、とても重要です。

それぞれの良いところを取り入れて、無理なく実践できる食事を続けていくことが、血糖コントロールや健康維持につながります。

「最近、食事が乱れているかも…」

「栄養バランスが心配…」

という方は 気軽にこのワンプレート食事法を試してみてください。
ご不安な点やご相談がある方は、お気軽に当院までご相談くださいね!

【当院からのご案内】

当院では、生活習慣の改善に向けた食事・運動のアドバイスや、糖尿病予防のための血液検査・カウンセリングを行っています。

糖尿病予防

血糖値の安定をサポートする食事指導、運動療法を提案し、生活習慣病の予防を目指します。

定期的な健康チェック

血圧、血糖値、体重・腹部超音波検査などの健康チェック定期的を行い、早期の異常発見に努めます。

個別の栄養指導

一人ひとりのライフスタイルや健康状態、食習慣に合わせて、管理栄養士が丁寧に食事の内容を見直します。栄養バランスを整えるために、何をどのくらい食べればよいか、日々の食事に無理なく取り入れられる具体的なアドバイスを行います。例えば、「甘いものを控えたいけれどやめられない」「野菜が不足しがち」といった悩みにも、実践しやすい工夫をご提案します。

管理栄養士と患者さん

気になる症状がある方や、自分の状態を確認したい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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疑問に思ったことや不安なことがありましたら、当院医師・スタッフにお気軽にお尋ねください。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

【引用文献】

キッコーマン株式会社
「1:1:2のバランスごはん」
https://www.kikkoman.co.jp/homecook/tsushin/tips0020/
からこと(Karakoto)|健康情報メディア
「食事バランスガイドとは?一目で分かる理想の食事バランス」
https://www.karakoto.com/pqqhc/
千葉県茂原市公式サイト(市民向け栄養資料)
「健康応援レシピ集 食事バランスガイド活用版」
https://www.city.mobara.chiba.jp/cmsfiles/contents/0000006/6914/suisinin.pdf
ニチレイウェルネス
「バランスのとれた食事とは?献立の立て方のコツ」
https://wellness.nichirei.co.jp/contents/detail/_48
ハウス食品グループ本社株式会社
「カレーの栄養と健康効果」
https://housefoods.jp/data/curryhouse/lesson/nutrition-of-curryrice.html
Healthline(英語)
「The Traditional Japanese Diet: A Healthy Way to Eat」
https://www.healthline.com/nutrition/japanese-diet

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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