
「血糖値が高い」と言われて、食事や運動には気をつけている。
それでも HbA1c がなかなか下がらない……。
そんな方はいらっしゃいませんか?
それが「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。
今回は、「糖尿病と睡眠時無呼吸症候群の深い関係」について、医師の視点からわかりやすく解説します。
糖尿病の人は、睡眠時無呼吸になりやすい?
こんにちは。
医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック 院長の細田俊樹です。
私はプライマリ・ケア(総合診療)を専門に、医師として25年目になります。
年間4,000人以上の糖尿病の患者さんを診察しており、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療にも積極的に取り組んでいます。
目次
糖尿病と無呼吸症候群、実は深い関係があります
糖尿病と睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、お互いに悪影響を与え合う「悪循環の関係」にあります。
・無呼吸 → 低酸素状態で交感神経が活性化 → 血糖が上がる → 糖尿病が悪化

どちらか一方を放置すると、もう一方も悪化してしまうということなんですね
実際、どれくらいの人が合併しているの?
海外の有名な研究によると、2型糖尿病の患者さんの約50〜80%に睡眠時無呼吸があることがわかっています(※1)。
特に、以下のような方は要注意です。
- BMIが25以上ある
- 夜間にいびきをかく、または無呼吸を指摘された
- 朝起きた時に頭が痛い、熟睡感がない
- 昼間に強い眠気がある
当院でしたら、上記の疑問、悩みが解決できるかもしれません。
なぜ睡眠時無呼吸は糖尿病に悪いの?
睡眠中に何度も呼吸が止まると、血中の酸素濃度が下がり、体がストレス状態になります。
その結果、交感神経(緊張モード)が活発になり、血糖値を上げるホルモンが分泌されやすくなります。
さらに…
・成長ホルモンの分泌が乱れ、脂肪がつきやすくなる
・食欲ホルモン(グレリン)が増加し、過食に…

無呼吸があるだけで、糖尿病治療がうまくいかなくなる可能性があるということですか?

そういうことになります。そして、睡眠時無呼吸を治療しないまま糖尿病を放置するとさまざまなリスクが上がります。
放置するとどうなる?
睡眠時無呼吸を治療しないまま糖尿病を放置すると…
・高血圧や心疾患、脳梗塞のリスクも増加
・睡眠中の突然死のリスクも報告されています
だからこそ、気づいたときの検査と対策がとても重要です。
当院でできる検査と治療
あまが台ファミリークリニックでは、自宅でできる簡易型の睡眠検査を行っています。
寝ている間にセンサーをつけるだけで、無呼吸の有無や重症度がわかります。
必要に応じて、精密検査やCPAP治療(持続陽圧呼吸療法)まで、
一貫してサポートできる体制を整えています。
よくあるご質問
Q. 糖尿病の治療中ですが、無呼吸の検査を受けたほうがいいですか?
A. 特に「いびき」「眠気」「肥満」のいずれかがある方は、早めの検査をおすすめします。
Q. 検査は入院が必要ですか?
A. いいえ。当院ではまずはご自宅でできる簡易検査をご案内しています。
Q. CPAPってつらくないですか?
A. 最近のCPAP機器は静かで、苦しさを感じにくい設計になっています。導入のサポートも行います。
まとめ
・ 糖尿病の患者さんの半数以上が、睡眠時無呼吸を合併している可能性があります。
・無呼吸を治療することで、血糖コントロールが改善するケースも多く報告されています。
・当院では、睡眠検査から治療まで、安心して受けられる体制を整えています。
参考文献
* (※1) Foster GD, et al. Obstructive Sleep Apnea among Obese Patients with Type 2 Diabetes. NEJM. 2009;365(13):1255–1265
* ADA Standards of Medical Care in Diabetes – 2024
* International Diabetes Federation. Diabetes and Sleep Apnoea. 2008
- HbA1cがなかなか下がらない
- 夜間のいびきや呼吸停止を指摘された
- 朝起きた時の疲労感や頭痛がある
- 昼間に強い眠気がある
当院では、こうしたお悩みをもつ糖尿病患者さんに対して、
睡眠時無呼吸症候群の検査と治療のサポートを行っています。
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