その朝ごはん、「実は危険かもしれません」。
このブログでは、糖尿病リスクを高める“やってはいけない朝ごはん”を3つ紹介しつつ、
血糖値を穏やかに保つ食べ方のコツや、合併症を防ぐためのヒントもお伝えします。
目次
朝の血糖値が爆上がり!?やってはいけない最悪の朝ごはん3選
医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック 院長の細田俊樹です。

私はプライマリ・ケア(総合診療)を専門に、医師として25年目になります。
年間4,000人以上の糖尿病の患者さんを診察しており、
日々の診療経験から患者さんに本当に伝えたいことを、このブログでお話しします。
- 最近、朝食の内容を気にしていない
- 朝はいつも時間がなくて、パパっと済ませている
- 糖尿病や予備軍と診断されたことがある
当院でしたら、上記の疑問、悩みが解決できるかもしれません。
あなたの朝ごはん、本当に大丈夫?
このブログを読んでいるあなたは、朝食はとっていますか?或いはどんな朝食を摂っていますか?
今回該当する3つの朝ご飯のどれかを食べているとしたら、糖尿病が悪化する、あるいは糖尿病になってしまう可能性が高いと思ってください。
実は、朝食の“中身”がその日の血糖値を大きく左右します。
外来でも、血糖コントロールが悪い方、糖尿病が悪化して来院される方は、
「朝食を取っているけどHbA1cが下がらない」という方は少なくありません。
多い日は、糖尿病の患者さんを1日で、30~40名近く診察していますが、その多くが、ある“共通したパターン”を持つ朝食を取っていることが分かってきました。
朝は血糖値が上がりやすい時間帯。ここで血糖が急激にあがる食事をすると、その後の食事でも血糖値が上がりやすくなる傾向があります。
朝食の選び方ひとつで、その日1日を通した血糖の上がりやすさが変わってしまうということです。
血糖値が高い状態を放置すると、どうなるの?
糖尿病が進むと、気づかないうちに全身のいろいろな場所に影響が出てきます。
特に注意したいのが、以下のような合併症です。
「しめじ」=糖尿病三大合併症
- し:しびれ(神経障害)
足の裏や指先がジンジンする、感覚が鈍くなるなどの症状が出ます。
糖尿病の合併症としては、一番早くでてくることもあります。 - め:目(網膜症)
視力が落ちる、最悪の場合は失明につながることもあります。 - じ:じんぞう(腎症)
尿にたんぱくが出たり、放っておくと透析が必要になることもあります。
「えのき」=命に関わる後期合併症
- え:えし(壊死)
血流が悪くなり、足の組織が腐ってしまうことがあります。切断が必要なケースも。
- の:のう(脳梗塞)
脳の血管が詰まり、突然のまひや言葉の障害を引き起こす可能性があります。
- き:きんぞう(心筋梗塞)
心臓の血管が詰まり、命に関わる重い症状になることもあります。
このように、「しめじ」「えのき」は、糖尿病の進行にともなって起こりうる重要なサインですが、
毎日の朝ごはんの選び方ひとつで、こうしたリスクを減らせるかもしれません。
最悪の朝ごはん3選とは?
これからご紹介する3つの朝食は、一見よくある内容ですが、血糖値の観点から見ると非常に危険です。
① 炭水化物だけの朝食
たとえば…おにぎりを1~2個だけで済ませていませんか?
これは非常に多くの糖尿病患者さんがやっているパターンです。
おにぎりはほぼ炭水化物のみで、たんぱく質・脂質・食物繊維が不足しています。
栄養バランスがとても偏ってしまっていますし、炭水化物だけですから、血糖値が一気に爆上がりしてしまいます。
そうすると、その後血糖は下がってしまって、お昼ごろには、栄養は足りない、血糖はさがるで、爆食いになってしまうんですね。
自分自身も朝をおにぎり1個だけにしたばあい、いつもの朝ご飯に比べて昼食後の血糖値が爆上がりしてしまいました。
それでは、どうしたらいいでしょうか?
対策としては、
- ゆで卵や無糖ヨーグルトを先に食べる
- サラダチキンなど、たんぱく質をプラス
- 豆腐を追加
といったことが効果的です。
炭水化物だけよりも、卵や、サラダチキン、納豆など、タンパク質といっしょにおにぎりを食べたほうが血糖の上昇が緩やかになることがわかっています。
② ジュース系の朝食
朝に野菜ジュースやフルーツジュースを飲んでいませんか?
一見、健康的に見えますが、ジュースにすると野菜をとるうえでの最大のメリットである食物繊維が削ぎ落とされてしまい、いわば砂糖ジュースになってしまいます。
その結果、血糖値が急上昇してしまうんですね。
対策としては、
- ジュースの代わりに無調整豆乳・プロテイン飲料
- アーモンドミルク+シナモンで自然な甘みを
③ 加工パン・菓子パン
チョコ入りの菓子パンやジャムパンなどは、糖質と脂質、添加物がたっぷり含まれています。
さらに食物繊維やたんぱく質が少ないため、血糖値を一気に押し上げます。
【対策】
- 全粒粉のパン、例えばローソンのブランパンに変更
- チーズや卵などのたんぱく質を添える
どうしてもやめられない方へ:簡単なちょい足し改善法
「忙しくて朝に手間をかけられない」――そんな方にもできる、血糖値を守る“ちょい足し食品”をご紹介します。
- ゆで卵(前日作り置き可)
- 無調整豆乳(パックで常備)
- プレーンヨーグルト+ナッツ
- ナッツ(10粒ほど)
- サラダチキン or 焼き鮭
これらを先に食べるだけで、血糖値の急上昇を防ぎ、食後の眠気やだるさを防ぐことができます。
セカンドミール効果とは?
朝ごはんをしっかりバランスよく食べると、お昼ごはんを食べた後の血糖値の上昇がゆるやかになることがわかっています。(一汁三菜)
この現象は「セカンドミール効果」と呼ばれており、最初の食事の内容がその後の食後血糖値にも影響を及ぼすことが、複数の研究で示されています(※4)。
つまり、昼と夜の食後の血糖を緩やかにするには、炭水化物だけでなく、タンパク質(鮭、卵など)や良質な油(魚の油、鶏肉、あまに油を豆腐にかける、アボガド)、野菜に含まれる食物繊維も合わせてとることが大事なんですね。
まとめ
- 朝食の“内容”が、その日の血糖値と未来の合併症を左右します。
- おにぎりだけ、ジュースだけ、菓子パンだけは危険
- たんぱく質や食物繊維を「先に」取るのがポイント
- 「しめじ」「えのき」を防ぐには、朝食から見直しましょう。
総合診療専門に糖尿病をはじめ高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など生活習慣病の患者さんに、できるだけお薬に頼らないために患者さんと向き合っている日々です。
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参考文献
(※1) Jenkins DJA, et al. “Glycemic index: overview of implications in health and disease.” Am J Clin Nutr. 2002
(※2) Imamura F, et al. “Consumption of sugar sweetened beverages, artificially sweetened beverages, and fruit juice and incidence of type 2 diabetes: systematic review.” BMJ. 2015
(※3) Cho SS, et al. “Dietary fiber and health outcomes: an umbrella review.” Nutr Rev. 2013
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