高齢者の血糖コントロールについて

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高齢者の糖尿病の血糖コントロール目標値

ここ数年で大きくかわった血糖コントロールの目標値

こちらのページでは、糖尿病の血糖コントロールの目標設定の考え方について記載しています。この数年間で血糖コントロール目標の考え方は大きく変わりました

例えば30歳で糖尿病を発症した患者さんと、糖尿病歴が20年以上あって、心筋梗塞などの血管の病気を持っている患者さんでは血糖コントロールの目標が異なります。

また80歳で血糖値のコントロールが悪い方に対して若い方と同じように厳格なコントロールをする事は、低血糖のリスクが大きくなりかえって副作用のリスクが心配です。

一人ひとりにあわせた目標設定

当院では様々な研究結果、ガイドラインに基づき、患者さんに合わせた血糖コントロールの目標設定と、患者さん自身の生活習慣の中で無理なく血糖値をコントロールする方法について考えていきます。

下記は高齢の方の糖尿病の血糖コントロール目標になります。

表の上側は、患者さんの特徴や健康状態になります。例えば中等度以上の認知症があったり、寝たきりの方、様々な合併症を持つ方は長期的な血糖コントロールの指標であるHbA1cの目標値は8.0未満になります。また、さらに低血糖起こしやすいお薬を使っていらっしゃる方は、もっとゆるめの8.5未満になります。

一方で、65歳以上 75歳未満で、認知機能が正常で、日常生活は自立している方はHbA1Cの目標値は7.0未満を目標にします。(低血糖を起こしやすい薬を使用している場合は、HbA1Cは7.5未満です。)

このように患者さんの健康状態、認知機能の状態或いは使われているお薬が低血糖を起こしやすいか、起こしにくいか?で血糖コントロールの目標値が変わってきます。

どのお薬でもそうですが、必ずメリットとデメリットがあります。使うことでのメリットが、デメリットを大きく上回る場合は使ったほうがいいかもしれませんし、デメリットばかりが大きい薬は使わないほうが、よいと私自身は考えています。

まとめ

まとめますと、糖尿病だからといって、やみくもに血糖値を下げれば良いという訳ではなく、低血糖によるリスクも考慮して、どの程度の目標値を設定したらよいか個別に考える必要があるということです。患者さんの状態であったり認知機能、年齢、すでに飲んでいる薬(あるいはインスリン)によって目標値が変わってきます。詳しくはスタッフ或いはDrに気軽にご相談ください。

当院の糖尿病の治療方針について

当院では糖尿病の予防および治療にも力を入れております。一人ひとりのライフスタイル、希望を考慮し、無理なく長く続けられる食事療法および運動療法についても一緒に考えていくスタンスです。さらに、近年は血糖コントロールを良好にする様々な薬物治療と言う選択肢も増えてきております。メリットデメリットを考慮し、最善の治療になるようにサポートできれば幸いです。

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