「いつまで続くの?」
「副作用が強い時はどうすればいい?」
そんな不安を抱えている方に向けて、医師の立場からわかりやすく解説します。
この記事はこんな方に
- リベルサスを服用していて副作用が心配な方
- 副作用がどのくらい続くのか知りたい方
- 増量したら症状が強くなった方
- うつや眠気、生理不順などの噂が気になる方
当院でしたら、上記の疑問・悩みが解決できるかもしれません。
自己紹介

こんにちは。医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック 院長の細田俊樹です。
私はプライマリ・ケア(総合診療)を専門に、医師として25年目になります。
年間4,000人以上の糖尿病の患者さんを診察しており、GLP-1作動薬を含む最新の治療にも日々取り組んでいます。
今回はリベルサスについて解説します。
目次
リベルサスとは?どんな方に向いている薬?
リベルサスは、GLP-1受容体作動薬「セマグルチド」を有効成分とする、1日1回飲むタイプの糖尿病治療薬です。
インスリン分泌を助け、食後血糖を抑え、満腹感を高めることで食事量を自然に減らす作用があります。
特に、食後の血糖が高い方や、注射治療に抵抗がある方に選ばれることが多い薬です(※1,※6)。
副作用が心配な方へ ― 我慢せず、あなたに合った治療ペースを一緒に見つけましょう。
吐き気や下痢などの症状があると「自分には合っていないのでは」と不安になりますよね。
当院では、副作用を最小限に抑えながら血糖コントロールを整える方法を、経験豊富な医師が一人ひとりに合わせてご提案しています。
リベルサスの主な副作用
リベルサスでは、吐き気・嘔吐・下痢・便秘・食欲低下・お腹の張りなどの胃腸症状が代表的です。
これは、GLP-1の働きで胃の動きがゆっくりになるために起こる自然な反応です(※2)。
初めて服用した時や、増量した直後に一時的に強く出ることがありますが、多くの方は数日〜数週間で落ち着いてきます。
副作用を軽くするためのポイント
- 食事は少量をゆっくりと摂る
- 脂っこい食事やアルコールを控える
- 服薬後30分は飲食を避ける(吸収を安定させるため)
- 十分な水分と電解質をとる
注意が必要な重い副作用
まれですが、次のような重大な副作用が報告されています。
- 急性膵炎:上腹部から背中に抜けるような強い痛み、嘔吐
- 低血糖:SU薬・インスリン併用時に発生(冷汗、ふらつき、手の震え)
- 胆嚢炎・胆石:右上腹部の痛み、発熱、黄疸
- 腎障害:嘔吐や下痢で脱水が起きた場合
- 網膜症の悪化:急激な血糖改善で一時的に症状が悪化することがあります
リベルサスを使用できない方
- 1型糖尿病の方
- 重い胃腸障害・消化管疾患のある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 重度の腎障害・肝障害のある方
副作用が出た時の対処法
副作用が出ても、慌てて中止する必要はありません。
まずは生活習慣と服用方法の見直しから始めましょう。
- 食事量を減らし、脂質を控える
- 症状が強い場合は、増量を一時的に見合わせる
- 服用後に強い吐き気や腹痛が出た場合は主治医に相談する
我慢して続けるのではなく、症状を見ながら「無理なく続けられるペース」を一緒に探すことが大切です。
よくある誤解と正しい理解
「多少つらくても、早く増量したほうが効くのでは?」
早く効果を出したいというお気持ちはよくわかります。
しかし、急いで増量すると吐き気や下痢などの副作用が強く出て続けられなくなることがあります。
リベルサスは「継続してこそ効果を発揮する薬」です。焦らず、症状が落ち着いてから段階的に進めることが、結果的に近道になります(※1,※2)。
「リベルサスを飲むと、気分が落ち込むことがあると聞いた」
近年SNSなどで「うつっぽくなる」との投稿を見かけますが、欧州医薬品庁(EMA)や米国FDAの調査では、GLP-1作動薬と自殺関連事象との明確な関連は確認されていません(※9,※45,※46)。
ただし、気分の落ち込みが続く場合は薬の影響に限らず、医師へ早めに相談することをおすすめします。
「眠気や生理の乱れが出ることはありますか?」
承認文書上、眠気や無月経は代表的副作用としては報告されていません(※1,※6)。
ただし、体重の減少や食事量の変化、ストレスなどが影響して月経周期が一時的に乱れることはあります。
症状が続く場合は、婦人科でホルモンバランスを確認しましょう。
よくある質問(Q&A)
- Q. 副作用はどのくらいで落ち着きますか?
- A. 多くは数日〜数週間で軽くなります。長く続く時は増量を遅らせることで改善することもあります(※1,※2)。
- Q. 胃のむかつきがつらい時はどうすれば?
- A. 少量ずつゆっくり食べ、脂質を控えましょう。水分補給も大切です。それでも改善しない場合は医師に相談を。
- Q. 他の薬より副作用が出やすいですか?
- A. GLP-1作動薬の特徴として胃腸症状は比較的出やすいですが、継続で慣れていくことが多いです(※2)。
- Q. うつや眠気、生理の乱れはありますか?
- A. いずれも代表的な副作用ではありませんが、体調の変化が続く場合は早めの受診をおすすめします。
まとめ
- リベルサスでは吐き気・下痢などの胃腸症状が比較的多く見られます。
- ほとんどの方は数週間で体が慣れ、落ち着く傾向があります。
- 無理に増量せず、体調を見ながら調整することが大切です。
- 気分の変化や生理不順など気になる症状が続く場合は、遠慮なく相談してください。
副作用でお悩みの方へ ― 無理なく続けられる糖尿病治療を。
吐き気や下痢などの症状で治療を続けるのがつらい方も、
医師が一人ひとりの体調や生活リズムに合わせて、安心して続けられる治療プランをご提案します。
まずは一度ご相談ください。
【リベルサスについて】(医療広告ガイドライン対応)
▼未承認医薬品等の使用について
リベルサスは、2型糖尿病の治療薬として厚生労働省に承認されています。肥満治療目的での処方は国内で承認されていません。
▼入手経路について
当該医薬品は、国内正規販売代理店(医薬品卸業)から仕入れています。
▼国内承認医薬品の有無
セマグルチドを一般名とする医薬品は日本国内で2型糖尿病の治療効果として認可されていますが、当院での使用目的は異なります。
▼諸外国での安全性等に関する情報
同一成分の注射製剤がアメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満症治療薬として承認されています。
安全性等に関わる情報としては、急性膵炎、低血糖症状(冷や汗、気持ち悪くなる、手足の震え、ふらつく、脱力感)、嘔吐、腹痛、下痢、便秘といった症状が記載されています。
▼医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
参考文献
- U.S. FDA. RYBELSUS® Prescribing Information(2024–2025改訂版)
- Husain M, et al. N Engl J Med 2019; Oral Semaglutide and Cardiovascular Outcomes.
- He L, et al. JAMA Intern Med 2022:GLP-1作動薬と胆嚢疾患リスクのメタ解析。
- EMA PRAC(2024):「自殺関連事象との関連を支持しない」との結論。
- PMDA 添付文書(リベルサス錠)日本国内適正使用情報。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診療内容に代わるものではありません。気になる症状がある場合は必ず主治医へご相談ください。
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