こんなことで悩んでいませんか?
- 健康診断で「LDLコレステロールが高いですね」と言われた
- 自覚症状が何もないので、正直あまり深刻に考えていない
- 「油を減らせばいいの?何から変えればいいのかわからない」
- 忙しくて自炊する時間がなく、対策が続けられる気がしない
そのコレステロール値、実は自覚のないまま血管をじわじわ傷つけているサインかもしれません。ポイントは「油を減らす」ことではなく「油を選ぶ」こと。今日から実践できる方法をお伝えします。

皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック管理栄養士の森川です。
私は管理栄養士として、生活習慣病の栄養指導を専門に、年間約600~800名の患者さんの食事相談を担当しています。

特に脂質異常症・糖尿病の患者さんに向けた個別栄養指導では、「数字だけを見て我慢を強いる指導」ではなく、「続けられる小さな工夫」を一緒に考えることを大切にしています。
この記事では、「なぜコレステロールが高くなるのか」「油をどう選べば改善につながるのか」を、根拠とともにわかりやすくお伝えします。ぜひ最後まで読んでください。
「コレステロールが高い」とはどういう状態?
目次
脂質異常症は、血液中のLDLコレステロール(悪玉)やトリグリセライド(中性脂肪)が基準値より高い、あるいはHDLコレステロール(善玉)が基準値より低い状態を指します。
この状態が続くと動脈硬化が進み、血管が硬く狭くなって、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気につながる可能性が高くなります※1。

当院では、動脈硬化を「血管が錆びる状態」に例えてお話しすることがあります。
金属が錆びると傷んでもろくなるように、血管もコレステロールの影響でダメージを受けると、しなやかさを失い詰まりやすくなってしまいます。
【脂質異常症の診断基準の目安】
・LDLコレステロール:140mg/dL以上で「高LDLコレステロール血症」
・HDLコレステロール:40mg/dL未満で「低HDLコレステロール血症」
・トリグリセライド(中性脂肪):150mg/dL以上(空腹時)
数値はあくまで診断の目安であり、実際の治療方針は年齢や持病(糖尿病・喫煙歴など)によって個別に判断されます※2。
脂質異常症は自覚症状がほとんどないため、「まだ大丈夫」と後回しにされがちです。
しかし血管のダメージは自覚なく静かに進行します。
だからこそ、数値が指摘された時点で、早めに食事の見直しを始めることが大切です。
LDLコレステロールとHDLコレステロールの違い

まず知っておきたいのが、「LDLコレステロール」と「HDLコレステロール」の役割の違いです。
LDLコレステロール(悪玉)
「悪玉コレステロール」と呼ばれていますが、本来は体に必要なコレステロールを肝臓から全身へ運ぶ大切な役割を持っています。
しかし量が多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化の直接的な原因になります※3。
HDLコレステロール(善玉)
血管に余ったコレステロールを回収し、肝臓へ戻す働きを持っています。
血管をきれいに保つ役割があるため、HDLは高め、LDLは適正な範囲を維持することが理想的なバランスです。
ここで患者さんからよく聞く声があります。
「痩せているのにコレステロールが高いと言われました。太っている人の病気だと思っていたのに…」という声です。
その気持ちはよくわかります。
実際にはコレステロール値は体重だけでなく、体質や食事内容に大きく左右されます。
特に「何を食べているか」より「どの種類の油を摂っているか」の影響が大きいことが分かっており、痩せ型の方でも油の質次第で数値が上下します。
「自分は太っていないから大丈夫」と思わず、指摘を受けたら一度食事内容を見直してみましょう。
「油の選び方」でコレステロールが変わる理由
「油=太る・体に悪い」というイメージを持たれがちですが、実際には油の”量”よりも”種類”がコレステロール値に強く影響します。
飽和脂肪酸はLDLコレステロールを増やしやすい
肉の脂身やバター、ラード、生クリームなどに多く含まれる「飽和脂肪酸」は、LDLコレステロールを増やす主な要因とされています。
食事中のコレステロールそのものよりも、飽和脂肪酸の摂りすぎのほうがLDL値への影響が強いことが報告されています※4。
冷蔵庫の中で固まる油脂(バター・ラードなど)は飽和脂肪酸が多く、常温で液体の油(オリーブオイル・魚油など)は不飽和脂肪酸が多い傾向にあります。
不飽和脂肪酸はLDLの改善をサポートする
オリーブオイルや菜種油などに含まれる不飽和脂肪酸、青魚に豊富なEPA・DHAは、血液の流れを保ちながらLDLコレステロールの改善をサポートするとされています。
実際に、高コレステロール血症の患者さんを対象にEPAを摂取するグループとしないグループを比較した大規模臨床試験(JELIS試験)では、EPA摂取群で主要な冠動脈イベントの発生率が有意に低下したことが報告されています※5。
「油を抜く」のではなく「油を選ぶ」が正解
油を極端に減らすダイエットは長続きせず、必須脂肪酸の不足につながることもあります。
大切なのは、飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸を意識的に取り入れる「置き換え」の発想です。
当院の栄養指導でも、油を我慢するより「揚げ物を週に1回、青魚の日を週に2回に変える」といった置き換えの提案の方が、実際に続けられて数値改善につながるケースを多く経験しています。

今日から実践できる「油の選び方」
控えたいもの
- バター、ラード、生クリーム
- 脂身の多い肉(バラ肉・ひき肉・鶏皮を含む)
- ベーコンやソーセージなどの加工肉
- 揚げ物、スナック菓子、菓子パン
積極的に取り入れたいもの
- オリーブオイル、菜種油などの植物油
- 青魚(サバ・イワシ・サンマなど)に含まれるEPA・DHA
- 大豆製品、ナッツ類
- 野菜・きのこ・海藻など食物繊維が豊富な食品(コレステロールの吸収を抑える働きが期待されます※6)
ただし、体に良いとされる油でもエネルギーは高いため、「摂れば摂るほど良い」わけではありません。
控えたい油を減らした分を、積極的に摂りたい油に置き換える意識が大切です。

「忙しくて料理をする時間がない」という方に
冷凍食品を上手に活用するのもおすすめです。最近は冷凍の焼き魚やさば、鮭なども充実しており、電子レンジで温めるだけで手軽に魚料理を取り入れることができます。
さらに、冷凍ブロッコリーやほうれん草、ミックス野菜などを常備しておけば、あと一品欲しい時にも便利です。
「継続できる方法を選ぶ」ことが、脂質異常症対策では何より重要です。完璧な自炊を目指す必要はありません。

放置するとどうなる?コレステロール値が高いまま過ごすリスク
「自覚症状がないから」と数年間指摘を放置してしまう方は少なくありません。
しかし、脂質異常症を放置すると、血管のダメージは自覚なく進行し続けます。
- 心臓への影響:冠動脈が狭くなり、心筋梗塞のリスクが上昇
- 脳への影響:動脈硬化が脳の血管に及ぶことで脳梗塞のリスクが上昇
- 他の生活習慣病との連動:糖尿病・高血圧・肥満と合併しやすく、合併するとリスクがさらに高まる
「数値が高いと言われたけれど、体調は変わらないから大丈夫」と思われるかもしれません。
その気持ちは十分わかります。
ただ、「症状がない」のと「血管に影響が出ていない」のは別のことです。
まずは食事内容を振り返るところから始めていただければと思います。
⚠️ 栄養指導を受けるためには、医師の診察による判断が前提になります
「何から変えればいいかわからない」という方へ
一人ひとりに合わせた栄養指導を行っています。
まずは当院の生活習慣病外来で、現在の数値と食事内容をご相談ください。

あまが台ファミリークリニックの栄養指導が選ばれる理由
- 医師と管理栄養士が連携:検査データを踏まえた上で、実践しやすい食事プランをご提案します。
- 「我慢」ではなく「置き換え」の指導:継続できることを最優先にした具体的なアドバイスを行います。
- 忙しい方向けの実践的な提案:冷凍食品や市販品の活用法など、日常生活に取り入れやすい方法をお伝えします。
- 千葉県長生村を中心に茂原市・千葉市方面からも通院可能:アクセスしやすい立地でかかりつけとしてご利用いただけます。

まとめ
- 脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、放置すると血管のダメージが静かに進行する
- LDLは全身へコレステロールを運び、HDLは余分なコレステロールを回収する役割を持つ
- コレステロール値には「油の量」よりも「油の種類」が強く影響する
- 飽和脂肪酸(バター・脂身の多い肉など)は控え、不飽和脂肪酸(オリーブオイル・青魚など)を積極的に
- 冷凍食品もうまく活用しながら、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切
脂質異常症は、「食べてはいけないもの」を増やすのではなく、「体に良いものを選ぶ」ことが改善への第一歩です。

毎日の食事で油の選び方を少し意識するだけでも、血管への負担は変わってきます。
日々の小さな積み重ねが、将来の健康な血管を守ることにつながります。
⚠️ 栄養指導を受けるためには、医師の診察による判断が前提になります
「自分の数値、このままで大丈夫?」と思ったら
健康診断の結果をお持ちいただければ、その場で具体的な食事アドバイスが可能です。
お気軽にご相談ください。
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参考文献
※1 厚生労働省「e-ヘルスネット」脂質異常症の食事. 健康日本21アクション支援システム.
※2 日本動脈硬化学会編.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.一般社団法人日本動脈硬化学会, 2022.
※3 厚生労働省「e-ヘルスネット」LDLコレステロール. 健康日本21アクション支援システム.
※4 厚生労働省「e-ヘルスネット」脂質異常症. 健康日本21アクション支援システム.
※5 Yokoyama M, et al. Effects of eicosapentaenoic acid on major coronary events in hypercholesterolaemic patients (JELIS): a randomised open-label, blinded endpoint analysis. Lancet. 2007;369(9567):1090-1098.
※6 厚生労働省「e-ヘルスネット」脂質異常症の食事(食物繊維とコレステロール吸収). 健康日本21アクション支援システム.

