「血糖値が高いから、おやつは我慢」──それ、今日からやめてみませんか?
実は、私自身が毎日食べて血糖値の安定に役立てているおやつがあります。
今回はその中でも、むしろ食べたほうが血糖値にいいと言える「最強のおやつ」を、ランキング形式でご紹介します。
目次
糖尿病でもおやつは我慢しなくてもOK!
こんにちは。
あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。(家庭医療専門医、日本糖尿病学会会員、日本睡眠学会会員)
当院では、4名の管理栄養士とチームを組み、年間約4,000人の糖尿病患者さんの診療にあたっています。
その数多くの臨床経験のなかで、気づいたのは、
血糖コントロールがうまくいかない方の多くが「おやつの時間」に悩んでいるということ。
たとえば…
-
夕方、小腹が空くけど我慢する
-
結局、手軽なお菓子に手が伸びてしまう
-
食べたあとに罪悪感に襲われる
そんな経験、あなたにもありませんか?
実はこの「おやつの我慢」が、逆に血糖値を大きく上げる原因になることがあります。
夕方の空腹を我慢した結果、次の食事でドカ食いしてしまい、血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を引き起こしてしまう…。
この悪循環に陥っている方が本当に多いのです。
だからこそ、
正しいおやつを、正しいタイミングでとることが、血糖値を安定させるカギになります。
【ランキング】医師も実践!血糖値が上がりにくいおやつTOP5
この記事では、
私自身の実体験と、これまでの臨床経験から導き出した
「血糖値を下げたい方におすすめの最強おやつ5選」をわかりやすくご紹介します。
正直、あまり教えたくなかったとっておきの情報です(笑)。
ぜひ、あなたの健康的な食生活の参考にしてください。
第5位:魔法の0キロカロリー!『炭酸水』
「なんだ、ただの水か」と思われたかもしれませんね。
しかし、ただの水ではなく「炭酸水」であることには、明確な理由が2つあります。
理由1.物理的な満腹感
炭酸ガスが胃の中で膨らむことで、脳が「お腹がいっぱいだ」と錯覚しやすくなります。
もちろん、無糖限定ですよ。
理由2.血糖値の急上昇を抑える「防波堤」効果
食事の少し前に飲むと、食べ物の胃からの排出を遅らせる効果が期待できます。
これにより、後から食べる食事の糖の吸収がより緩やかになり、血糖値の急上昇を防いでくれるのです。(※1)
▼「でも、味がなくて続かない…」という方へ
そうは言っても、「味のない炭酸水は味気なくて続かない」というお気持ち、よくわかります。
そこで私が箱買いして毎日飲んでいるのが、ウィルキンソンのタンサン『ダブルグレープ』と『ダブルピーチ』です。
これが本当にすごく、ゼロカロリー・無糖なのに、驚くほど豊かなフルーツの香りがします。

「甘いジュースが飲みたい!」という欲求を、罪悪感ゼロで満たしてくれる救世主です。
強炭酸が苦手な方でも飲みやすいマイルドな刺激で、ネットでまとめ買いすれば1本89円程度と、コスパも抜群です。
【医師からの注意点】
炭酸水は胃酸の分泌を促すため、逆流性食道炎をお持ちの方や、胃がもたれやすい方は症状が悪化する可能性があります。
ご自身の体調と相談し、もし胃の不調を感じたら無理に続けるのはやめましょう。
第4位:噛むほどに満足!『食べる煮干し』
第4位は、日本の伝統的な食材「食べる煮干し」です。
ポイントは「よく噛む」という行為そのものにあります。
しっかり噛むことで、脳内でヒスタミンという物質が分泌され、満腹中枢を刺激して食欲を抑えてくれます。
栄養面も完璧で、血糖値を上げないタンパク質はもちろん、骨を強くするカルシウム、血液をサラサラにするDHAやEPAも豊富。まさに「食べるサプリ」です。(※2)
▼「塩分が多いんじゃない?」という疑問にお答えします
素晴らしい視点です。その通り、おつまみ用の味付けされた煮干しは塩分が多いので注意が必要です。
だからこそ、選ぶべきは「食塩無添加」と記載のあるもの。原材料名が「かたくちいわし」だけのシンプルなものを選びましょう。
第3位:食べる美容液!?『ブルーベリー』
ベスト3の幕開けは、フルーツ界のスーパーフード「ブルーベリー」です。数あるフルーツの中でも、ブルーベリーが突出して素晴らしい理由は3つあります。
理由1.「痩せホルモン」の分泌を促進
食物繊維やポリフェノールが腸内環境を改善し、食欲を抑え血糖値も上がりにくくする「痩せホルモン(GLP-1)」の分泌を促します。(※3)
理由2.圧倒的な抗酸化力(アンチエイジング効果)
紫色の色素成分「アントシアニン」は、強力な抗酸化物質。体内の活性酸素を除去し、シミやシワの予防、血管の若返りなど、全身のアンチエイジングに繋がります。
まさに「食べる美容液」です。
理由3.インスリンの効きを良くする
アントシアニンには、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの感受性を改善する効果も研究で示されています。(※4)

でもブルーベリーも果糖が含まれているので、結構血糖値上がるんじゃないですか?

とても良い質問ですね。おっしゃる通り、ブルーベリーにも果糖は含まれます。
しかし、それを上回るほどの「食物繊維」が糖の吸収を穏やかにしてくれます。
アクセル(糖質)とブレーキ(食物繊維)が同時に備わっているため、ジュースとは血糖値の上がり方が全く違うのです。

私のおすすめは断然「冷凍ブルーベリー」。凍ったまま食べると天然のアイスのようで美味しいですし、冷凍によって細胞壁が壊れ、アントシアニンが吸収されやすくなるとも言われています。
【番外編】罪悪感ゼロの最強レスキュー食!
第2位の前に、私がどうしても紹介したい秘密兵器があります。
それは、ドン・キホーテの『ライトツナフレーク ノンオイル』です!
「ツナ缶がおやつ?」と思いますよね。これが、急な空腹時にあなたを救う「緊急空腹レスキュー食」になるんです。
究極の低糖質おつまみ!「豆腐のツナ乗せ」
私が実際にやっている、究極に簡単で美味しく、血糖値が上がらない食べ方がこちらです。
【作り方】
- お皿にお豆腐(絹ごしでも木綿でもOK)を半分ほどのせる。
- その上にノンオイルツナ缶を半分、ドサっと乗せる。
- お好みで醤油やポン酢をかける。(ごま油と刻みネギも絶品です!)
火も包丁も使わず、乗せるだけ。
豆腐とツナは、言わずと知れた高タンパク・低糖質の代表選手。タンパク質は消化がゆっくりで満足感が得やすく、血糖値への影響はほとんどありません。
ノンオイルなので余分なカロリーもカットでき、夜中の空腹にも罪悪感ゼロで対応できます。
このドンキのツナ缶は10缶で862円ほど(※価格は変動します)、つまり1缶約86円という驚異のコスパも魅力です。ぜひストックしてみてください。
それではまたランキングに戻りましょう。
第2位:食べるサプリ!『ミックスナッツ』
第2位は、「ミックスナッツ」です。
ナッツの強みは「良質な脂質」と「マグネシウム」。
不飽和脂肪酸が悪玉コレステロールを減らして動脈硬化を防ぎ、マグネシウムがインスリンの働きを助けてくれます。(※5)(※6)
「高カロリーで太るのでは?」という最大の懸念について
はい、ナッツは高カロリーです。これは事実です。
最近の研究では、ナッツを習慣的に食べる人の方が体重は安定している、というデータもあるほどです。(※5)
理由は、良質な脂質や食物繊維による満足感の高さにあります。少量で満足できるため、結果的に他の間食が減るのです。
ただし、もちろん食べ過ぎは禁物。推奨量は1日に「自分の片手に軽く一杯乗るくらい(約25g)」です。
「でも、量を計るのは面倒…」という方におすすめなのが、イオンのトップバリュ『食塩不使用 ミックスナッツ』の個包装タイプです。
これなら「今日はこの一袋だけ」と決めるだけで、誰でも簡単に食べ過ぎを防げます。

意志の力ではなく、仕組みで解決するのが賢いやり方です。
そして、栄えある第1位は…!
お待たせしました。私が毎日食べていると言っても過言ではない、最強のおやつ。
栄えある第1位は……「ギリシャヨーグルト」です!
これが最強である理由は3つあります。
・圧倒的な高タンパク
普通のヨーグルトの約2倍のタンパク質を含み、腹持ちが抜群に良いです。
・低GI
糖質が少なく、血糖値がほとんど上がりません。
・腸内環境の改善
善玉菌が作り出す「短鎖脂肪酸」が全身の炎症を抑え、痩せホルモン(GLP-1)の分泌も促すなど、血糖コントロールを根本からサポートします。(※7)
最強の食べ方のご提案
私のおすすめは、オイコスやパルテノなどの無糖タイプのギリシャヨーグルトに、第3位で紹介した「冷凍ブルーベリー」をトッピングすることです!
これで、高タンパク・低GI・抗酸化作用・食物繊維・善玉菌、全てが摂れる「完璧な血糖コントロールデザート」が完成します。
美味しすぎて、これが健康に良いなんて信じられないくらいですよ。
まとめ:賢くおやつを選んで、無理なく血糖コントロールを続けよう
いかがでしたか?「おやつ=悪」というイメージは変わりましたでしょうか。
【食べるほど血糖値が良くなる奇跡の食材TOP5】
- 第1位:ギリシャヨーグルト
- 第2位:ミックスナッツ(個包装・食塩不使用)
- 第3位:ブルーベリー(冷凍がおすすめ)
- 第4位:食べる煮干し(食塩無添加)
- 第5位:炭酸水(無糖・フレーバー付きも◎)
- 番外編:ノンオイルツナ缶(豆腐に乗せるだけ!)
大切なのは、やみくもに我慢することではなく、正しい知識を持って、賢く選んで食べることです。
今回ご紹介した食材を、ぜひあなたの間食に取り入れてみてください。
きっと、あなたの血糖コントロールが良い方向へ向かう、心強い味方になってくれるはずです。
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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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参考文献
- (※1)Calbet JA, MacLean DA. Effects of carbonated water on gastric emptying and satiety. J Nutr. 2002;132(11):3352-7.
- (※2)Siscovick DS, et al. Omega-3 Fatty Acids and Cardiovascular Disease: An Updated Systematic Review. Agency for Healthcare Research and Quality (US); 2016.
- (※3)Kalt W, et al. Blueberry Anthocyanins in Health and Disease: A Review of the Berry of the 21st Century. J Agric Food Chem. 2020;68(22):5969-5996.
- (※4)Guo H, Ling W. The update of anthocyanins on obesity and type 2 diabetes: Experimental evidence and clinical perspectives. Rev Endocr Metab Disord. 2015;16(1):1-13.
- (※5)Flores-Mateo G, et al. Nut consumption and body weight and adiposity: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Am J Clin Nutr. 2013;97(6):1346-55.
- (※6)Barbagallo M, Dominguez LJ. Magnesium and type 2 diabetes. World J Diabetes. 2015;6(10):1152-7.
- (※7)Marco ML, et al. Health benefits of fermented foods: microbiota and beyond. Curr Opin Biotechnol. 2017;44:94-102.
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