【医師が解説】絶対に見逃してはいけない糖尿病の初期症状5選

糖尿病 初期症状 院長ブログ

糖尿病は初期には気づきにくい病気ですが、あるサインを見逃すと、命に関わる深刻な合併症につながることもあります。

注意マーク今回は、「これだけは見逃さないでほしい」という糖尿病の初期症状を5つ厳選してお伝えします。

ご自身やご家族の健康のために、ぜひ最後まで読んでみてください。

【医師が解説】絶対に見逃してはいけない糖尿病の初期症状5選

こんにちは。医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。

私自身はプライマリ・ケア 総合診療を専門に医師として25年目になります。

クリニックを開業して5年以上が経ちますが、現在では年間延べ4,000人以上の糖尿病の患者さんを診察しております。

  • 最近なんだか体がだるいと感じる
  • のどの渇きや、体重の急な減少が気になる
  • 足のしびれや感覚の鈍さを感じる
  • 感染症にかかりやすくなった気がする
  • 目がかすんで見えることが増えた

糖尿病の初期症状に悩む男性

当院でしたら、上記の疑問、悩みが解決できるかもしれません。

足のしびれ:神経障害が始まっているサイン

足のしびれは、糖尿病による神経障害の初期症状のひとつです。(※1)

現代医学でははっきりと解明されているわけではありませんが、血糖値が高い状態が続くと、「ソルビトール」という物質が神経にダメージを与えると考えられています。

しびれだけでなく、足の感覚が鈍くなってしまうと、小さな傷や感染にも気づかず、最悪の場合は足の切断につながるケースもあります。

足 切断

当院では糖尿病の患者さんには、「できるだけ毎日入浴後は足を観察するように。」と伝えています。

以前私が担当した患者さんの中で、糖尿病によって足の感覚が鈍くなり、指の間の水虫からばい菌が入って、足全体が感染して、2倍ぐらいの太さに腫れ上がってしまった患者さんがいらっしゃいません。

糖尿病ではない患者さんが普通に気づく痛みや痒みに糖尿病の患者さんは気づかないという場合もありますから要注意ですよね。

しかも、神経障害は一度進行すると治療が難しいため、予防がとても大切です。

のどの渇き:血糖値が高い証拠かも?

血糖値が異常に高くなると、血液が“ドロドロ”のような状態になります。

身体はこの濃度のバランスを保とうとして喉の渇きを感じますが、多くの人がここで甘い飲み物を摂ってしまい、悪循環にはまります。

また、尿の回数が増え、夜中に5~6回トイレに起きることもあります(※2)。

夜間頻尿に悩む女性

体重減少:インスリンの働きが低下している証拠

インスリンはどんな役割を担っているかご存知でしょうか?

私たちが口から入れた白米は、腸から吸収されると、血管の中に糖分として存在し、食べる量によって徐々に増えていきます。

悩む おじさん

そもそもこの糖分は何のためにあるのでしょうか?

糖分とインスリンの役割

人間には40兆個とも60兆個とも言われる細胞がありますが、その1つ1つの細胞が機能するためには、糖分が必要です。
その細胞の中に、糖分をいざなう(いれる)のがインスリンの役目です。

 

インスリン

糖尿病が進行すると、インスリンが働かなくなるため、結果として栄養源である糖分が細胞にいかない状態になります。

そのままですと、細胞は死んでしまいますから、エネルギー不足を補うために、自分自身の筋肉や骨を分解して栄養を作り出します(※3)。

そのため「何もしていないのに痩せていく」という状態になります。

感染症にかかりやすくなる:免疫力の低下

血糖値が高い状態が続くと、白血球の働きが低下し、感染症にかかりやすくなることがわかっています。(※4)。

免疫力 低下

風邪が治りにくい、喉の渇き、体重減少などがある場合は、糖尿病が疑われます。

さらに足にしびれがある方は、小さな傷に気づかずに重症化するリスクもあります。

目がかすむ:糖尿病網膜症の前触れかも

高血糖が続くと、細い血管が集まる目にダメージが及びます。

「目がかすむ」「黒いものが飛んで見える」といった症状が出ることも。※5)

進行すると出血や失明の危険もあるため、異常を感じたら眼科を受診しましょう。

糖尿病により目がかすむ中年男性

まとめ

糖尿病は「沈黙の病気」とも呼ばれ、気づいたときには進行していることが多いです。

今回ご紹介した症状は、早期発見のための重要なサインです。

 

・足のしびれ

・のどの渇き

・体重減少

・感染症にかかりやすくなる

・目がかすむ

 

これらの症状が気になる方は、お早めに医療機関へご相談ください

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参考文献

  1. Vinik AI, et al. Diabetic neuropathies. Medical Clinics of North America. 2013 May;97(2):99-120.
  2. ADA. Standards of Medical Care in Diabetes—2024. Diabetes Care. 2024;47(Suppl 1):S55–S64.
  3. Barrett EJ, et al. Diabetic muscle wasting: pathophysiology, clinical significance, and therapeutic potential. J Clin Invest. 2014;124(10):4154–4162.
  4. Casqueiro J, et al. Infections in patients with diabetes mellitus: A review of pathogenesis. Indian J Endocrinol Metab. 2012 Mar-Apr;16(Suppl1):S27–S36.
  5. Cheung N, et al. Diabetic retinopathy. The Lancet. 2010 Jul 10;376(9735):124-36.
この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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