HbA1cは良いのに体調が悪いのはなぜ?見落としやすい原因を医師が解説|千葉・茂原エリアからも通院可能

院長ブログ
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HbA1cは良いのに、なぜか体調が悪い…そんな方へ

 

「HbA1cは前より良くなったのに、だるさが取れない」

「血糖は落ち着いていると言われたのに、眠い、疲れやすい、頭がぼんやりする」

「数字は悪くないのに、なんとなく体調がすぐれない」

 このような悩みを抱えている方は、実は少なくありません。

HbA1cはとても大切な検査ですが、それだけで今の体調をすべて説明できるとは限りません。
HbA1cは、いわば“ここ数か月の平均点”のような数字です。

平均点が良くても、日によって大きく上下していたり、別の原因で体調を崩していたりすれば、本人としてはつらいままです。(※1)(※2)

こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です

私は家庭医療専門医として医師25年目になります。
日本糖尿病学会正会員として、年間約5,000人以上の糖尿病患者さんを診察しています。

当院では糖尿病だけを数字で追うのではなく、だるさ、眠気、睡眠、体重、食事、ストレスといった“生活全体”を含めて診療しています。

さらに国家資格を持つ管理栄養士5名体制で、食事や間食、生活習慣の見直しまで一緒に考えています。
あまが台ファミリークリニックの管理栄養士4名

実際の診療でも、「HbA1cは悪くないのに体調が悪い」という相談はとても多いです。そして詳しく見ていくと、血糖値そのもの以外に原因が隠れていることが少なくありません。

HbA1cが良くても、体調が悪くなることはあります

HbA1cは、赤血球にどれくらい糖がくっついているかを見る検査で、過去1〜2か月から2〜3か月くらいの平均的な血糖状態を反映します。(※1)

ここで大事なのは、“平均”を見ているという点です。
たとえば、血糖値が食後にかなり上がって、その後下がるという波が大きい方でも、平均するとそこまで悪く見えないことがあります。
HbA1c 平均点

すると検査結果だけを見ると「まあ大丈夫そう」に見えるのに、本人は食後の眠気やだるさ、集中しづらさを感じている、ということが起こります。

HbA1cが良いなら安心していいのでは?

と思われる方も多いと思います。
その気持ちはよくわかります。
実際、HbA1cは糖尿病診療でとても重要な数字です。

ただ、それは“重要ではあるけれど万能ではない”ということでもあります。
最近は、血糖自己測定や持続血糖モニタリング(CGM)によって、1日の中の上下動や食後の反応も確認することが重要だと考えられています。(※2)(※3)

HbA1cは良いのに体調が悪い方へ

「数字は悪くないのに、なぜかつらい」そんなときは、HbA1cだけでは見えにくい原因を一緒に整理することが大切です。

糖尿病専門ページでは、検査や治療の流れ、食事や生活習慣の見直しについて詳しくご案内しています。

糖尿病専門ページを見る

HbA1cは良いのに体調が悪いときに、まず考えたい4つのこと

1.食後高血糖や血糖値の乱高下が隠れている

もっとも見落とされやすいのが、食後高血糖や血糖値の大きな波です。

朝食や昼食のあとに強い眠気が出る、食後にだるくなる、夕方に集中できなくなるという方は、平均値としてのHbA1cはそこまで悪くなくても、食後の血糖値が急に上がっている可能性があります。
食後の血糖上昇や上下動は、HbA1cだけではつかみにくいことがあります。(※2)(※3)

でも、私は低血糖のような症状はありませんよ

という方もいます。

たしかに、血糖の上下は必ずしもはっきりした症状として出るとは限りません。

ただ、ぼんやりする、眠くなる、イライラする、空腹感が強いといった形で出ている方は珍しくありません。
食事内容や食べる順番、間食、睡眠不足などが重なると、この波はさらに大きくなります。
血糖値 症状

この場合は、食事記録、自己血糖測定、必要に応じてCGMを使うことで、数字の裏にある“本当の動き”が見えてくることがあります。

2.睡眠の質が悪い、特に睡眠時無呼吸症候群が隠れている

HbA1cは良いのに、朝から疲れている、昼間に眠い、頭が重いという方では、睡眠の問題が隠れていることがよくあります。

糖尿病のある方には睡眠障害が多く、特に睡眠時無呼吸症候群は見逃されやすい原因の一つです。いびき、夜中のトイレ、熟睡感がない、起きたときに口が乾く、日中の眠気が強いといった方は要注意です。(※4)(※5)

ただ疲れているだけかもしれないし…

と思って放置されることも多いのですが、睡眠の質が悪いと、疲労感だけでなく血糖コントロールにも悪影響が出やすくなります。

 

睡眠不足や睡眠の分断は、食欲やホルモンのバランスにも影響し、結果として体調も血糖も崩しやすくなります。(※4)(※5)

糖尿病の治療をしているのに体調が改善しない方では、血糖だけでなく睡眠も必ず見直したいポイントです。

3.貧血や鉄不足などで、HbA1cが実際より高く見えたり低く見えたりしている

HbA1cは赤血球を使って測る検査なので、赤血球の寿命や状態に影響を受けます。

そのため、貧血、鉄不足、出血、溶血、輸血後、妊娠、血色素のタイプの違いなどがあると、実際の血糖状態とHbA1cがずれることがあります。(※6)(※7)

貧血

たとえば鉄欠乏ではHbA1cが高めに出ることがありますし、逆に赤血球の寿命が短くなる状態では低めに出ることがあります。(※6)

HbA1cはいいと言われたのに、どうしてこんなにしんどいの?

という方の中には、数字が実態を正確に反映していないケースもあります。

しかも貧血そのものが、だるさ、息切れ、動悸、頭が重い感じの原因になります。

ですから、HbA1cだけを見て安心したり、逆に落ち込みすぎたりするのではなく、血算、鉄、腎機能、肝機能なども含めて全体で判断することが大切です。

4.糖尿病以外の原因が重なっている

だるさや疲れやすさは、とても幅の広い症状です。

糖尿病の方では、睡眠障害、貧血、甲状腺の病気、うつ状態、ストレス、感染症、慢性的な痛み、薬の影響など、いくつもの要因が重なっていることがあります。(※8)(※9)

せっかくHbA1cが良くなったのに、まだ体調が悪いのは気のせいでしょうか

と遠慮がちに相談される方もいますが、気のせいで片づけてはいけません。

疲労感はとても大事なサインです。
特に、体重減少、動悸、息切れ、むくみ、発熱、強い眠気、気分の落ち込みなどがある場合は、糖尿病以外の原因も含めて丁寧に確認した方がよいです。

こんな方は、一度きちんと相談してください

  • HbA1cは良いと言われたのに、だるさや疲れが続く
  • 食後に強い眠気やぼんやり感がある
  • 朝起きても疲れが取れない
  • いびき、夜間頻尿、日中の眠気がある
  • 貧血を指摘されたことがある、または顔色が悪いと言われる
  • 食事に気をつけているのに、体調だけが良くならない

当院でしたら、上記の疑問、悩みが解決できるかもしれません。

数字だけで終わらせず、“体の声”も大切にしてください

糖尿病診療ではHbA1cが重要です。ただ、HbA1cはあくまで全体像の一部です。

平均値が良くても、食後の血糖値の乱れ、睡眠障害、貧血、ストレス、別の病気が隠れていれば、体調は悪いままです。

逆に言えば、そこを一つずつ整理していくことで、「数字はいいのにしんどい」という状態から抜け出せることがあります。

数字だけ見て「大丈夫」と我慢するのではなく、だるさ、眠気、疲れやすさも立派な相談理由です。
特に総合診療では、糖尿病だけでなく全身をまとめて見ることで、原因にたどり着けることが少なくありません。

まとめ

HbA1cが良いのに体調が悪いときは、単純に「糖尿病は落ち着いている」と片づけないことが大切です。

  • HbA1cは平均値であり、食後高血糖や血糖の乱高下は見えにくい
  • 睡眠時無呼吸症候群など、睡眠の問題が疲労感の原因になっていることがある
  • 貧血や鉄不足などでHbA1cが実態とずれることがある
  • 甲状腺、気分の落ち込み、薬、感染症など、糖尿病以外の原因が重なっていることもある

「HbA1cは良いのに、なぜかつらい」という違和感は、見逃さないでください。その違和感の中に、改善のヒントが隠れていることがあります。

HbA1cは良いのに体調が悪い方へ

血糖値のことだけでなく、睡眠や貧血、生活習慣まで含めて一度整理してみませんか。

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参考文献

  • ※1 国立循環器病研究センター HbA1c(ヘモグロビンA1c)ってなに? HbA1cは過去1〜2か月前の血糖値を反映すると解説。
  • ※2 American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes—2026, Diabetes Technology. 血糖モニタリングやCGMは、個々の反応や目標達成状況の評価に有用。
  • ※3 American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes—2026, Glycemic Goals, Hypoglycemia, and Hyperglycemic Crises. Time in RangeなどHbA1c以外の指標の重要性。
  • ※4 Sleep disorders in people with type 2 diabetes and associated health outcomes. 糖尿病のある方では睡眠障害が多く、健康転帰にも影響。
  • ※5 The Link Between Sleeping and Type 2 Diabetes. 睡眠の問題は気分や生活の質、代謝に影響しうる。
  • ※6 NGSP. Factors that Interfere with HbA1c Test Results. 鉄欠乏や赤血球寿命の変化はHbA1cに影響しうる。
  • ※7 NGSP. HbA1c Assay Interferences. ヘモグロビン異常などによりHbA1cが偽高値・偽低値になることがある。
  • ※8 Fatigue in Patients with Diabetes: A Review. 糖尿病における疲労はよくみられるが、多因子的である。
  • ※9 Fatigue as the Chief Complaint: Epidemiology, Causes, Diagnosis, and Treatment. 疲労感の原因は睡眠障害、抑うつ、身体疾患など多岐にわたる。
この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属、日本肥満学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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