いびき・朝のだるさ・日中の眠気で、こんなお悩みはありませんか?
- ✓家族から「いびきが大きい」と言われる
- ✓寝ている時に息が止まっていると言われた
- ✓朝起きても疲れが取れない
- ✓日中に眠くなり、集中力が続かない
- ✓脂肪肝、糖尿病、高血圧、肥満も気になっている
これらの症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
この記事では、「自分も一度確認した方がよいのか」を判断しやすいように、セルフチェック形式で分かりやすく解説します。

睡眠時無呼吸症候群セルフチェック|いびき・朝のだるさ・日中の眠気がある方へ
皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。

私はプライマリ・ケア、総合診療を専門に、医師として25年目になります。日本睡眠学会に所属し、当院では年間延べ1,500名以上の睡眠時無呼吸症候群の患者さんを診療しています。
また、日本糖尿病学会正会員として、糖尿病診療にも力を入れており、年間約5,000人の糖尿病の患者さんを診察しています。
前回の記事では、脂肪肝、糖尿病、肥満、いびきは別々に見えても、体重、内臓脂肪、血糖、睡眠の質を通してつながっていることがある、という話をしました。
まだ読んでいない方は、先にこちらの記事を読むと理解しやすいと思います。
前回の記事はこちらです。
今回の記事では、話をさらに一歩進めて、「自分は睡眠時無呼吸症候群を疑った方がよいのか?」をセルフチェックできるように整理します。
ただし、最初に大切なことをお伝えします。
セルフチェックは、あくまで「可能性に気づくための目安」です。セルフチェックだけで、睡眠時無呼吸症候群と診断することはできません。
一方で、睡眠時無呼吸症候群は、自分では気づきにくい病気です。だからこそ、家族からの指摘や日中の眠気などをきっかけに、早めに気づくことが大切です。
この記事で一番お伝えしたいこと
睡眠時無呼吸症候群は、本人が気づきにくく、家族からの「いびきが大きい」「息が止まっている」という指摘で見つかることがあります。
いびき、朝のだるさ、日中の眠気、脂肪肝、糖尿病、高血圧、肥満が重なっている方は、この記事のセルフチェックで一度確認してみてください。
目次
睡眠時無呼吸症候群は、自分では気づきにくい病気です
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まったり、浅くなったりする状態を繰り返す病気です。
問題は、本人が寝ている間に起こるため、自分では気づきにくいことです。
たとえるなら、家の中で夜中に何度もブレーカーが落ちているのに、朝になると電気がついているため、本人は気づいていないような状態です。
体の中では、寝ている間に酸素が下がったり、眠りが浅くなったりしているのに、本人は「寝ていたはず」と感じていることがあります。
そのため、睡眠時無呼吸症候群では、家族からのいびきや無呼吸の指摘、朝のだるさ、日中の眠気など、本人の感覚だけでは見えにくいサインがとても重要になります。
米国睡眠医学会の診断に関するガイドラインでも、睡眠時無呼吸症候群の診断には、症状や問診だけでなく、検査による確認が重要とされています。(※1)
ただし、検査を考える前の段階として、「自分は疑った方がよいのか」を知ることはとても大切です。
まず確認したい5つのサイン
では、実際にどんな症状があると睡眠時無呼吸症候群を疑った方がよいのでしょうか。
まずは、特に大切な5つのサインを確認してみましょう。
5つの重要サイン
- 大きないびきがある
- 寝ている時に息が止まっていると言われる
- 朝起きても疲れが取れない
- 日中に眠くなる
- 高血圧、糖尿病、脂肪肝、肥満がある
この5つは、それぞれ単独でも大切ですが、複数重なると、睡眠時無呼吸症候群を疑うきっかけになります。
特に、「寝ている時に息が止まっていると言われる」は非常に重要なサインです。
本人は眠っていて気づけないため、ご家族やパートナーからの指摘は貴重な情報になります。

なぜセルフチェックを5つに分けて確認するのか
ここから、セルフチェックを5つに分けて確認していきます。
「チェック項目が多い」と感じる方もいるかもしれません。
ただ、睡眠時無呼吸症候群は、1つの症状だけで判断しにくい病気です。
たとえば、いびきが大きい方でも、日中の眠気をあまり感じない方がいます。反対に、いびきの自覚はないけれど、家族から「息が止まっている」と言われて初めて気づく方もいます。
また、朝のだるさや日中の眠気は、睡眠不足、疲労、ストレス、薬の影響などでも起こるため、それだけで睡眠時無呼吸症候群と決めつけることはできません。
だからこそ、この記事では次の5つの方向から確認します。
5つに分けて見る理由
1. いびき:空気の通り道が狭くなっているサインになることがあります。
2. 寝ている時の呼吸:本人では分からないため、家族からの指摘が重要です。
3. 朝の症状:寝たはずなのに回復していないサインとして現れることがあります。
4. 日中の眠気:睡眠の質の低下が、仕事や運転中の眠気として出ることがあります。
5. 体格・生活習慣病:肥満、高血圧、糖尿病、脂肪肝がある方では、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。
たとえるなら、睡眠時無呼吸症候群を疑うチェックは、1枚の写真だけで判断するのではなく、いろいろな角度から撮った写真を見比べるようなものです。
正面から見ると分からなくても、横から見ると気づくことがあります。
いびき、呼吸、朝の症状、日中の眠気、体格や生活習慣病を合わせて見ることで、自分が一度確認した方がよい状態かどうかを考えやすくなります。
セルフチェック1|いびきに関するチェック
まずは、いびきに関するチェックです。
いびきは、空気の通り道であるのどが狭くなり、空気が通る時にのどが振動することで起こります。
ストローのように考えるといいかもしれません。空気の通り道をストローだと例えると、通り道が狭くなると空気が共鳴して音が鳴るというわけです。

軽いいびきがたまにあるだけでは、すぐに病気とは限りません。
ただし、次のような場合は注意が必要です。
いびきチェック
- □家族から「いびきが大きい」と言われる
- □別の部屋までいびきが聞こえると言われた
- □以前よりいびきが大きくなった
- □体重が増えてからいびきが強くなった
- □お酒を飲んだ日だけでなく、普段からいびきをかく
いびきは「音の問題」と思われがちです。
しかし、いびきの背景に、のどの空気の通り道の狭さがある場合、睡眠時無呼吸症候群と関係していることがあります。
特に、体重増加、脂肪肝、糖尿病、高血圧がある方は、いびきを単なる生活音として片づけないことが大切です。
セルフチェック2|寝ている時の呼吸に関するチェック
次に、寝ている時の呼吸に関するチェックです。
睡眠時無呼吸症候群で特に大切なのは、「いびき」だけでなく、「呼吸が止まっているかどうか」です。呼吸が止まっている方は睡眠時無呼吸症候群でも重症の方が多いと言われています。
ただし、これは本人では分かりにくいため、ご家族の観察が非常に役立ちます。
寝ている時の呼吸チェック
- □寝ている時に息が止まっていると言われた
- □寝ている時に苦しそうと言われた
- □いびきが急に止まり、その後に大きく息をすることがあると言われた
- □寝汗が多い、または夜間に何度も目が覚める
- □夜間にトイレで起きる回数が増えた
「息が止まっている」と言われると、不安になる方も多いと思います。
ただ、不安になりすぎる必要はありません。
大切なのは、「気のせい」と放置せず、一度チェックしてみることです。
寝ている時の呼吸は、自分では見えません。だからこそ、ご家族の指摘は大切なサインになります。
セルフチェック3|朝の症状に関するチェック
睡眠時無呼吸症候群では、夜にしっかり寝たつもりでも、朝の体調にサインが出ることがあります。
本人は「年齢のせい」「疲れが残っているだけ」と思いやすいですが、睡眠の質が関係している場合もあります。
朝の症状チェック
- □朝起きても疲れが取れていない
- □朝起きた時に頭が重い、頭痛がある
- □朝から口が渇いている
- □十分寝たはずなのに、体が重い
- □起きた直後から眠気が残っている
睡眠時無呼吸症候群では、寝ている間に呼吸が止まったり浅くなったりすることで、睡眠が細切れになります。
たとえるなら、スマートフォンを一晩充電したつもりなのに、途中で何度も充電ケーブルが抜けているような状態です。
朝になっても十分に充電されていないため、疲れが残ったように感じることがあります。

セルフチェック4|日中の眠気に関するチェック
睡眠時無呼吸症候群でよく見られるのが、日中の眠気です。
ただし、日中の眠気は「忙しいから」「寝不足だから」と思われやすく、見逃されやすい症状です。
次のような場面で眠気がある場合は、注意して確認してみてください。
日中の眠気チェック
- □会議中や人の話を聞いている時に眠くなる
- □テレビを見ているとすぐに寝落ちする
- □昼食後だけでなく、午前中や夕方にも眠い
- □運転中に眠気を感じることがある
- □以前より集中力や記憶力が落ちた気がする
特に注意してほしいのは、運転中の眠気です。
信号待ちで眠くなる、高速道路で眠くなる、単調な道で意識がぼんやりする場合は、生活への影響が出ているサインかもしれません。
日中の眠気を評価する方法として、エプワース眠気尺度という質問票が使われることがあります。これは、日常生活のいくつかの場面でどれくらい眠くなりやすいかを見るものです。(※2)
ただし、眠気が強くないからといって、睡眠時無呼吸症候群がないとは言い切れません。
実際の診療では、いびき、無呼吸の指摘、血圧、体重、糖尿病、脂肪肝なども合わせて判断することが大切です。
セルフチェック5|体格・生活習慣病に関するチェック
睡眠時無呼吸症候群は、体格や生活習慣病とも関係します。
特に、体重増加、首まわりの太さ、高血圧、糖尿病、脂肪肝がある方では、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認する価値があります。
体格・生活習慣病チェック
- □ここ数年で体重が増えた
- □首まわりが太くなった、シャツの首元がきつくなった
- □高血圧、または血圧が高めと言われたことがある
- □糖尿病、糖尿病予備群、血糖値が高いと言われたことがある
- □脂肪肝を指摘されたことがある
睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングとして、STOP-Bangという質問票があります。
これは、いびき、疲れやすさ、無呼吸の指摘、高血圧、BMI、年齢、首まわり、性別などを確認するものです。(※3)
この記事では、専門的な点数計算までは行いません。
ただ、いびきや眠気だけでなく、体重、高血圧、糖尿病、脂肪肝なども合わせて見ることが大切です。
セルフチェックの結果をどう考えればよいか
ここまでのチェック項目を見て、いくつ当てはまりましたか?
あくまで目安ですが、次のように考えてください。
セルフチェックの目安
0〜1個:現時点では強く疑うサインは多くないかもしれません。ただし、家族から無呼吸を指摘された場合や運転中の眠気がある場合は、個数に関係なく注意が必要です。
2〜4個:睡眠の質が低下している可能性があります。いびき、朝のだるさ、日中の眠気が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群も意識してみてください。
5個以上:睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか、一度確認を考えてよい状態です。特に、脂肪肝、糖尿病、高血圧、肥満がある方は、体全体のリスクとして見ていくことが大切です。
個数に関係なく注意:寝ている時に息が止まっていると言われた方、運転中に眠気を感じる方は、チェック数が少なくても早めに確認してください。
ここで大切なのは、チェックの数だけで一喜一憂しないことです。
睡眠時無呼吸症候群は、症状の出方に個人差があります。
眠気が強く出る方もいれば、本人はあまり眠くないのに、実際には睡眠中の呼吸が悪くなっている方もいます。
そのため、セルフチェックは「診断」ではなく、「確認するきっかけ」と考えてください。
特に注意してほしい組み合わせ
次のような組み合わせがある方は、睡眠時無呼吸症候群を疑うきっかけになります。
注意したい組み合わせ
- いびきが大きい + 朝起きても疲れが取れない
- いびきが大きい + 日中に強い眠気がある
- 家族に無呼吸を指摘された + 高血圧がある
- 体重が増えた + いびきが強くなった
- 脂肪肝や糖尿病がある + 寝ても疲れが取れない
- 運転中に眠気がある + 夜は寝ているつもり
特に、脂肪肝や糖尿病がある方では、「いびきは家族に迷惑なだけ」と考えず、体全体のサインとして見てほしいと思います。
いびき、眠気、血糖、体重、血圧は、別々の問題に見えて、根っこの部分でつながっていることがあります。
家族からの指摘は、重要な医療情報です
睡眠時無呼吸症候群の相談でよくあるのが、次のようなケースです。
「自分では困っていないけれど、家族にいびきを指摘された」
「妻から、寝ている時に息が止まっていると言われた」
「本人は大丈夫と言っているが、家族が心配している」
このような場合、ご家族の指摘は非常に大切です。なぜなら、当然ながら本人は寝ている間の状態を見られないからです。
たとえるなら、自分では車の後ろのブレーキランプが切れていることに気づきにくいのと同じです。
後ろを走っている人に「ランプが切れていますよ」と言われて初めて気づくことがあります。
睡眠中のいびきや無呼吸も、それに似ています。
本人が気づけないからこそ、近くで見ている家族の一言が、病気に気づくきっかけになるのです。
セルフチェックで当てはまった方へ
ここまで読んで、いくつか当てはまった方もいると思います。
ただし、ここで大切なのは、急に不安になりすぎないことです。
セルフチェックで当てはまったからといって、必ず睡眠時無呼吸症候群だと決まるわけではありません。
一方で、「自分には関係ない」と決めつけてしまうのも危険です。
特に、次のような方は、一度詳しい情報を確認しておくとよいと思います。
- 家族からいびきや無呼吸を指摘された方
- 朝のだるさや日中の眠気が続いている方
- 脂肪肝、糖尿病、高血圧、肥満がある方
- 運転中や仕事中の眠気が気になる方
- 体重が増えてからいびきが強くなった方
今回の記事では、あえて検査や治療の詳しい話まではしません。
なぜなら、今回の目的は、まず「自分が確認した方がよい状態かどうか」を知っていただくことだからです。
次の記事では、セルフチェックで当てはまった方に向けて、睡眠時無呼吸症候群の検査はどのように進むのか、自宅でできる検査とは何か、オンライン初診で何を相談できるのかを、分かりやすくお伝えします。
セルフチェックで当てはまった方へ
いびき、朝のだるさ、日中の眠気があり、脂肪肝や糖尿病も気になる方は、睡眠時無呼吸症候群の詳しい説明ページも参考にしてください。
次の記事では、検査の流れや相談方法について、さらに分かりやすく解説します。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、本人が気づきにくい病気です。
そのため、家族からのいびきの指摘、寝ている時の無呼吸、朝のだるさ、日中の眠気は大切なサインになります。
さらに、脂肪肝、糖尿病、高血圧、肥満がある方では、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか意識してみることが大切です。
セルフチェックで複数当てはまったからといって、すぐに病気と決まるわけではありません。
ただし、チェック項目が多い方、家族に無呼吸を指摘された方、運転中に眠気がある方は、放置せずに一度確認することをおすすめします。
次の記事では、睡眠時無呼吸症候群が心配な方に向けて、検査の流れ、自宅でできる検査、オンライン初診で相談できることについて解説します。
参考文献
- ※1 Kapur VK, Auckley DH, Chowdhuri S, et al. Clinical Practice Guideline for Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea. Journal of Clinical Sleep Medicine. 2017;13(3):479-504.
- ※2 Johns MW. A New Method for Measuring Daytime Sleepiness: The Epworth Sleepiness Scale. Sleep. 1991;14(6):540-545.
- ※3 Chung F, Abdullah HR, Liao P. STOP-Bang Questionnaire: A Practical Approach to Screen for Obstructive Sleep Apnea. Chest. 2016;149(3):631-638.
- ※4 Slowik JM, Sankari A, Collen JF. Obstructive Sleep Apnea. StatPearls. Updated 2025.


