「糖尿病と言われたけれど、結局何を食べたらよいのかわからない」
「ご飯を減らしているつもりなのに、HbA1cがなかなか下がらない」
「甘いものは控えているのに、血糖値が高いと言われる」
このようなお悩みはありませんか?
糖尿病の食事療法というと、「甘いものをやめる」「ご飯を減らす」というイメージが強いかもしれません。
しかし実際の外来では、甘いお菓子だけでなく、健康によさそうに見える飲み物や、何気なく食べている朝食、コンビニ食品が血糖値を大きく上げていることがあります。
この記事では、糖尿病の方や血糖値が高めと言われた方に向けて、血糖値を急上昇させやすい食べ物ワースト10を、医師の視点からわかりやすく解説します。
ただし、最初に大切なことをお伝えします。
この記事は「これを一生食べてはいけない」と不安をあおるためのものではありません。
血糖値が上がりやすい食べ物を知り、食べる頻度や量、組み合わせを工夫するための記事です。
【医師警告】血糖値を急上昇させる食べ物ワースト10
目次
- 【医師警告】血糖値を急上昇させる食べ物ワースト10
- 血糖値を上げる食べ物を知ることが大切な理由
- ワースト1:砂糖入り飲料、ジュース、甘い缶コーヒー
- ワースト2:スポーツドリンクを水代わりに飲む
- ワースト3:果汁100%ジュース、野菜ジュース
- ワースト4:菓子パン、あんパン、メロンパン、デニッシュ
- ワースト5:白米大盛り、丼もの、カレーライス大盛り
- ワースト6:うどん、ラーメン、パスタなどの麺類単品
- ワースト7:カップ麺とおにぎり、パンと甘い飲み物の組み合わせ
- ワースト8:グラノーラ、シリアル、甘いヨーグルト
- ワースト9:お菓子、せんべい、和菓子の“少しだけ”習慣
- ワースト10:アルコールと締めの炭水化物
- 血糖値を上げにくくする食べ方のコツ
- 管理栄養士に相談した方がよい人
- まとめ
- 関連ブログ
- 参考文献

皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。
私はプライマリ・ケア、総合診療を専門に、医師として25年目になります。
また、日本糖尿病学会の正会員として、年間約6,000人の糖尿病の患者さんを診察しています。
当院では医師による診察だけでなく、国家資格をもつ管理栄養士5名体制で、糖尿病の食事療法をサポートしています。糖尿病の食事は、理屈だけでは続きません。仕事、家族構成、外食の頻度、コンビニ利用、間食の習慣まで含めて、現実的に続けられる方法を一緒に考えることが大切です。
- 健康診断で血糖値やHbA1cが高いと言われた
- 糖尿病の薬を飲んでいるが、食事の説明をあまり受けていない
- 甘いものを控えているのに血糖値が下がらない
- コンビニや外食が多く、何を選べばよいかわからない
- 糖尿病を悪化させる食べ物を具体的に知りたい
当院でしたら、上記の疑問や悩みが解決できるかもしれません。
血糖値を上げる食べ物を知ることが大切な理由
糖尿病の食事療法で大切なのは、「糖質をすべて悪者にすること」ではありません。
糖質は体を動かす大切なエネルギー源です。
しかし、糖質の量が多すぎたり、吸収が速すぎたりすると、食後に血糖値が急上昇します。
この食後の急激な血糖上昇は、一般的に血糖値スパイクと呼ばれます。
血糖値スパイクが繰り返されると、血管に負担がかかり、将来的に動脈硬化、腎臓病、目の合併症、神経障害などにつながる可能性があります。

米国糖尿病学会の診療ガイドラインでも、糖尿病治療では血糖値だけでなく、食事内容、体重、心血管リスク、生活習慣を総合的に整えることが重要とされています(※1)。
つまり、糖尿病の食事療法は「我慢大会」ではありません。血糖値が上がりやすい食べ物を知り、上手に置き換えることが、長く続く治療につながります。
ワースト1:砂糖入り飲料、ジュース、甘い缶コーヒー
血糖値を急上昇させやすい食べ物、というより飲み物の代表が、砂糖入り飲料です。
具体的には、コーラ、サイダー、甘い缶コーヒー、加糖の紅茶、エナジードリンク、乳酸菌飲料、甘いカフェラテなどです。
液体の糖分は、噛む必要がなく、胃から腸へ流れやすいため、血糖値が短時間で上がりやすい特徴があります。
実際、BMJに掲載されたメタ解析では、砂糖入り飲料を1日1サービング多く摂取すると、2型糖尿病の発症リスクが18%高いことが報告されています(※2)。
「ジュースは飲まないけど、缶コーヒーは毎日飲んでいます」という方は少なくありません。
しかし、甘い缶コーヒーやカフェラテにも糖質が多く含まれていることがあります。
まずは、毎日飲んでいる甘い飲み物を、無糖のお茶、水、ブラックコーヒー、無糖炭酸水に置き換えることから始めてみてください。
血糖値対策として、最初に効果を感じやすいポイントです。

ワースト2:スポーツドリンクを水代わりに飲む

スポーツドリンクは、汗をたくさんかいた時や脱水時には役立つことがあります。
しかし、普段の水分補給として毎日飲むと、糖分を取りすぎる原因になります。
特に注意したいのは、「体によさそう」「熱中症対策になる」と思って、日常的に飲んでいるケースです。
スポーツドリンクには糖分が含まれており、水のように飲むと血糖値が上がりやすくなります。
「でも、夏は熱中症が心配です」と思う方もいると思います。
その気持ちはとてもよくわかります。熱中症対策は大切です。
ただし、糖尿病の方や血糖値が高めの方では、普段の水分補給は水やお茶を基本にし、スポーツドリンクは必要な場面に限定するのがおすすめです。
汗を大量にかいた時、発熱や下痢がある時、医師から指示がある時などは別ですが、日常的に「水代わり」に飲む習慣は見直しましょう。
ワースト3:果汁100%ジュース、野菜ジュース

「ジュースはよくないけど、果汁100%なら大丈夫」
「野菜ジュースなら健康によい」と思っている方は多いです。
しかし、血糖値の観点では注意が必要です。
果物そのものには食物繊維が含まれ、噛んで食べるため、ある程度ゆっくり吸収されます。一方、果汁100%ジュースは、液体として糖が体に入りやすく、血糖値が上がりやすくなります。
野菜ジュースも同じです。商品によっては果物が多く含まれていたり、飲みやすくするために糖質が多めだったりします。
健康的なイメージがあるため、毎日飲んでいても糖質摂取として意識されにくいのが問題です。
「野菜不足だから野菜ジュースを飲んでいます」という方もいると思います。
その努力は素晴らしいです。
ただ、糖尿病の食事療法では、飲み物よりも、噛んで食べる野菜を優先した方が血糖値の上昇を抑えやすくなります。
置き換えるなら、サラダ、具だくさん味噌汁、冷凍野菜、カット野菜などを活用しましょう。
ワースト4:菓子パン、あんパン、メロンパン、デニッシュ
朝食でよく見かける菓子パンも、血糖値を急上昇させやすい食品です。
菓子パンは、白い小麦粉、砂糖、油脂が組み合わさっていることが多く、血糖値が上がりやすいうえに、カロリーも高くなりがちです。
メロンパン、クリームパン、あんパン、デニッシュ、チョコパンなどは、朝食として軽く食べたつもりでも、糖質と脂質を同時に多く取ってしまうことがあります。
「朝は時間がなくて、菓子パンが一番楽なんです」という方も多いと思います。
忙しい朝に手軽なものを選びたくなるのは当然です。
ただ、血糖値を考えるなら、菓子パン単品ではなく、卵、無糖ヨーグルト、チーズ、サラダチキン、豆腐、納豆など、たんぱく質を足す工夫をしてみてください。
さらに可能であれば、菓子パンを毎日ではなく週1〜2回に減らし、普段は全粒粉パン、ライ麦パン、卵、ヨーグルト、ナッツなどに置き換えるとよいでしょう。

ワースト5:白米大盛り、丼もの、カレーライス大盛り
日本人の食事で血糖値に大きく関係するのが、白米の量です。
白米そのものが悪いわけではありません。
問題は、量が多くなりやすいこと、そして丼ものやカレーライスのように、早食いになりやすいことです。
牛丼、親子丼、天丼、カツ丼、カレーライスは、ご飯の量が多く、さらに野菜やたんぱく質が不足しやすい食事です。
短時間で食べると、食後血糖値が上がりやすくなります。
「ご飯を食べないと満足できない」という方も多いと思います。
その気持ちはよくわかります。糖尿病の食事療法では、ご飯をゼロにする必要はありません。
おすすめは、ご飯をいつもの7割にすることです。
さらに、先に野菜やたんぱく質を食べてからご飯を食べると、血糖値の上昇がゆるやかになりやすいです。
外食では「ご飯少なめ」「サラダ追加」「味噌汁をつける」「大盛りにしない」だけでも、かなり違います。

血糖値が高いと言われた方へ
食事を我慢する前に、まずは「何が血糖値を上げやすいのか」を知ることが大切です。糖尿病の検査、食事療法、治療の流れを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ワースト6:うどん、ラーメン、パスタなどの麺類単品
麺類は食べやすく、外食でも選びやすいメニューです。
しかし、糖尿病の方では「麺類単品」に注意が必要です。
うどん、ラーメン、パスタは、炭水化物が中心になりやすく、野菜やたんぱく質が少ないことがあります。
特に、うどんとおにぎり、ラーメンとチャーハン、パスタとパンのような組み合わせは、糖質が重なりやすくなります。
「昼食は時間がなくて、麺類が多いです」という方は多いです。
忙しい中で素早く食べられるので、現実的には仕方ない部分もあります。
ただ、選び方を少し変えるだけで血糖値対策になります。
うどんなら、天ぷらよりも卵、わかめ、肉、きのこを追加する。ラーメンなら、ライスをつけない。パスタなら、クリーム系よりも具材の多いものを選び、サラダをつける。
麺類を完全に禁止する必要はありません。
大切なのは、糖質だけの食事にしないことです。

ワースト7:カップ麺とおにぎり、パンと甘い飲み物の組み合わせ
血糖値を上げやすいのは、単品の食品だけではありません。組み合わせも重要です。
特に注意したいのが、カップ麺とおにぎり、菓子パンと甘いカフェラテ、パスタとパン、ラーメンとチャーハンのような、糖質と糖質を重ねる食べ方です。
このような食事は、短時間で多くの糖質が入りやすく、食後血糖値が上がりやすくなります。
また、野菜やたんぱく質が不足しやすく、満腹感が長続きしないため、夕方に間食が増える原因にもなります。
「コンビニで何を選べばいいかわからない」という方は、まず組み合わせを変えてみましょう。
- カップ麺とおにぎりではなく、カップ麺とサラダチキン
- 菓子パンと甘いカフェラテではなく、全粒粉パンと無糖コーヒー
- おにぎり2個ではなく、おにぎり1個とゆで卵、サラダ
- ラーメンと半チャーハンではなく、ラーメン単品にしてスープを残す
糖尿病の食事では、「何を食べるか」だけでなく、「何と組み合わせるか」がとても大切です。

ワースト8:グラノーラ、シリアル、甘いヨーグルト

朝食で健康的に見えやすいものの中にも、血糖値が上がりやすい食品があります。
代表が、グラノーラ、シリアル、甘いヨーグルトです。
これらは「健康」「食物繊維」「乳酸菌」というイメージがあるため、毎日食べても問題ないと思われがちです。
しかし、商品によっては砂糖やはちみつ、ドライフルーツが多く含まれ、糖質量が多くなることがあります。
もちろん、すべてのグラノーラやヨーグルトが悪いわけではありません。選び方が大切です。
おすすめは、無糖ヨーグルトにナッツや少量の果物を加える方法です。
シリアルを選ぶ場合は、砂糖が少ないもの、食物繊維が多いものを選び、量を決めて食べましょう。
「健康によさそうだから大丈夫」と思い込まず、栄養成分表示の糖質量や砂糖の有無を見る習慣をつけることが大切です。
ワースト9:お菓子、せんべい、和菓子の“少しだけ”習慣
糖尿病の方の外来でよくあるのが、「甘いものは食べていません」と言いながら、詳しく聞くと毎日少しずつ間食しているケースです。
チョコ、クッキー、せんべい、まんじゅう、どら焼き、アイス、菓子類は、少量でも毎日続くと血糖値や体重に影響します。
特に注意したいのは、夕食後の間食です。
夜は活動量が少なく、血糖値が下がりにくい時間帯です。夕食後に甘いものを食べる習慣があると、翌朝の血糖値や体重にも影響することがあります。
「少しくらい楽しみがないと続きません」という気持ちはよくわかります。
糖尿病の食事療法で、楽しみを全部なくす必要はありません。
ただし、毎日の習慣になっている場合は見直しが必要です。おすすめは、間食を「毎日」ではなく「週に数回」にすること、食べるなら日中にすること、量を小分けにすることです。
我慢しすぎるより、ルールを決めて楽しむ方が長続きします。

ワースト10:アルコールと締めの炭水化物
最後は、アルコールと締めの炭水化物です。
お酒そのものも種類によって糖質を含みますが、それ以上に問題になりやすいのが、お酒を飲んだ後の食事です。
揚げ物、濃い味のおつまみ、締めのラーメン、雑炊、お茶漬け、デザートなどが重なると、血糖値だけでなく体重や中性脂肪にも影響します。
「お酒を飲むと食欲が出てしまう」という方は多いです。これは意志が弱いというより、アルコールで判断力がゆるみ、食欲のブレーキが効きにくくなるためです。
対策としては、最初にたんぱく質を食べる、揚げ物を毎回選ばない、締めを習慣にしない、飲酒量を決めておくことが大切です。

糖尿病の方では、薬の種類や肝機能、腎機能によってアルコールの注意点が変わります。飲酒習慣がある方は、主治医に相談してください。
血糖値を上げにくくする食べ方のコツ
ここまで血糖値を上げやすい食品を紹介しましたが、繰り返します。大切なのは「一生禁止」ではありません。
糖尿病の食事で大切なのは、血糖値を上げやすい食品を知り、食べ方を工夫することです。
- 甘い飲み物は、まず無糖に置き換える
- 主食はゼロではなく、量を7割にする
- 野菜、たんぱく質、主食の順で食べる
- 糖質だけの食事にしない
- コンビニでは、主食にゆで卵、サラダチキン、豆腐、サラダを足す
- 間食は毎日ではなく、回数と量を決める
- 食後10分だけ歩く
食後の軽い運動は、食後血糖の上昇を抑える助けになります。
米国糖尿病学会のガイドラインでも、食事療法と身体活動を組み合わせた生活習慣の改善が重要とされています(※1)。

管理栄養士に相談した方がよい人
糖尿病の食事療法は、本やネットの情報だけでは難しいことがあります。なぜなら、生活スタイルは人によって全く違うからです。
朝食を食べる人、食べない人。外食が多い人。夜勤がある人。家族と同じ食事をしている人。コンビニが多い人。お酒を飲む人。甘いものが好きな人。
同じ糖尿病でも、必要なアドバイスは一人ひとり違います。
特に、次のような方は管理栄養士への相談をおすすめします。
- HbA1cがなかなか下がらない
- 薬を増やす前に食事を見直したい
- 何を食べてよいか不安で、食事が楽しくない
- 外食やコンビニが多い
- 家族と同じ食事でどう調整すればよいかわからない
- 体重も一緒に減らしたい
当院では、医師と管理栄養士が連携し、検査結果や生活背景に合わせて、無理なく続けられる食事療法を提案しています。
血糖値・HbA1cが気になる方へ
「何を食べればよいかわからない」「食事療法をきちんと相談したい」方は、一人で悩まずご相談ください。医師と管理栄養士が、あなたの生活に合わせた糖尿病治療を一緒に考えます。

まとめ
血糖値を急上昇させやすい食品は、甘いお菓子だけではありません。
- 砂糖入り飲料、甘い缶コーヒー
- スポーツドリンク
- 果汁100%ジュース、野菜ジュース
- 菓子パン
- 白米大盛り、丼もの、カレー大盛り
- 麺類単品
- 糖質と糖質の組み合わせ
- グラノーラ、シリアル、甘いヨーグルト
- 毎日の間食
- アルコールと締めの炭水化物
これらをすべて禁止する必要はありません。まずは、頻度を減らす、量を決める、無糖に変える、たんぱく質や野菜を足すところから始めてください。
糖尿病の食事療法は、我慢ではなく、選び方の技術です。今日からできる小さな工夫で、未来の血糖値は変わります。

関連ブログ
血糖値やHbA1c、食後の眠気、糖尿病の検査について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
参考文献
- (※1) American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes—2026. Diabetes Care. 2026;49(Suppl.1).
- (※2) Imamura F, et al. Consumption of sugar sweetened beverages, artificially sweetened beverages, and fruit juice and incidence of type 2 diabetes: systematic review, meta-analysis, and estimation of population attributable fraction. BMJ. 2015;351:h3576.
- (※3) Diabetes Canada Clinical Practice Guidelines Expert Committee. Nutrition Therapy. Canadian Journal of Diabetes. 2018;42(Suppl 1):S64-S79.
- (※4) Greenwood DC, et al. Glycemic index, glycemic load, carbohydrates, and type 2 diabetes: systematic review and dose-response meta-analysis. Diabetes Care. 2013;36(12):4166-4171.

