「夫の糖尿病が心配で、食べるものに口を出すとけんかになる」「食事を作っているのは私なのに、どこまで気をつければいいのか分からない」。そんな悩みはありませんか。
元気でいてほしいから伝えているのに、「分かっている」「放っておいて」と返される。ご家族も、つらいですよね。
ご本人が希望・了承していれば、ご家族が診察に同席して相談する方法があります。食事のことで言い合いになることも、相談のきっかけになります。(※1)
皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。医師歴25年の家庭医療専門医で、日本糖尿病学会正会員として年間延べ約5,000人の糖尿病の患者さんを診察しています。
この記事では、家族としての接し方と、一緒に受診する前に準備したいことをお伝えします。

心配する家族と、注意されてつらい本人。どちらの気持ちも大切です
目次

ご家族は将来が心配で、「その量で大丈夫?」と声をかける。一方、ご本人は仕事や治療で疲れ、「家でも注意される」と感じる。こうしたすれ違いが起きることがあります。
糖尿病では、日々の食事管理や服薬、検査結果への心配が心理的な負担になります。日本糖尿病学会も、こうした負担に配慮することを重視しています。(※2)
「でも、私が言わなければ何も変わりません」。見守るだけでは不安になるお気持ちも分かります。
ただ、数値が良くならない理由を、ご本人や料理を作る方の努力だけに結びつけないでください。治療は病状や生活に合わせて考える必要があります。(※1)
ご家族が一人で「食事を取り締まる役」を引き受ける必要はありません。何を優先するか、医師や管理栄養士を交えて整理しましょう。
食事で言い合いになるときは、「何を手伝ってほしい?」から

支え方は、ご本人が何を望んでいるかで変わります。声かけが助けになる人もいれば、負担になる人もいます。まず希望を聞くことが大切です。(※3)
例えば、次のような言い方を試せます。必ずうまくいく言葉ではなく、話し始めるための例です。
- 「また食べているの?」と言いたくなったら、「おやつを楽しむ方法を、一緒に相談してみない?」
- 「ちゃんと管理して」と言いたくなったら、「買い物や通院で、手伝えることはある?」
- 「数値が悪いじゃない」と言いたくなったら、「最近、治療で困っていることはある?」
食事中に話すと険悪になるなら、食卓を離れた落ち着いた時間に。「私は体が心配。どう関われば助けになるか知りたい」と、ご自身の気持ちから伝えてみてください。
「本人に合わせていたら、私ばかり大変です」という場合も、無理に抱え込まないでください。買い物、調理、片付けを誰が担うかも、家族で話すテーマです。ご家族の負担も診察で教えてください。
食事の正解を家族だけで決めようとせず、まずは当院の診療内容をご覧ください。
同席をご希望の場合は予約時にお伝えください。
電話:050-3108-1705
家族も一緒に受診してよい?まずは本人の了承を

ご本人が同意していれば、一緒に説明を聞くことは、家庭での支援を考える助けになります。食事を用意する方が栄養相談に参加することも選択肢です。(※1・※3)
誘うときは、「先生から注意してもらうため」ではなく、「私も食事のことが分からないから、一緒に聞いてもいい?」と伝えてみてください。
診察の中心はご本人です。家族にどこまで話してよいかも、ご本人の意向を尊重します。
診察では、まず本人の話を聞き、その後にご家族が補足する形を意識しましょう。必要に応じて、一部をご本人だけで相談する時間にする方法もあります。
一緒に来るのを嫌がる場合は?
せっかく心配しているのに断られると、寂しさや焦りもありますよね。まずは「どんなところが嫌?」と聞いてみてください。話を全部知られたくない、責められそう、時間が合わないなど、理由はさまざまです。
同席を無理に進めず、本人がよければ質問を一つメモにして託す、次回は食事の相談だけ一緒に聞くなど、受け入れやすい方法を相談できます。
家族だけで相談したい場合は?
ご本人が受診をためらっているときも、ご家族だけで悩まないでください。まず電話で、相談したい内容とご本人が来院できない事情をお伝えください。対応可能な内容や予約方法を確認します。
ご家族からの相談だけで、ご本人の診察や検査の代わりができるわけではありません。個別の治療情報の共有には、ご本人の同意などの確認が必要です。
受診前に用意したいのは、「困りごと」と普段の様子

家族で結論を出してから受診する必要はありません。次の中から、分かるものをお持ちください。
- 相談したいことを一つか二つ。「夕食の量で言い合いになる」「別々の料理を作るのが負担」など。
- 普段の食事の写真。特別に整えた献立でなく、いつもの食卓で構いません。
- お薬手帳と、お持ちであれば最近の検査結果。
- 記録している方は血糖値の記録。食事や薬で困った場面のメモも役立ちます。
「できていない証拠」を集めるためではなく、生活に合う方法を考えるための準備です。ご本人に黙って撮影・記録するのではなく、何を共有するか一緒に決めてください。
診察の最初に「本人も家族も、食事のことで疲れています。続けられる方法を相談したいです」と伝えていただいて構いません。
当院では、医師と管理栄養士が家庭で続けられる方法を考えます
当院は国家資格をもつ管理栄養士5名体制で、食事相談を行っています。医師が病状や薬を確認し、管理栄養士が普段の食事や調理の負担を伺いながら、工夫できる点を一緒に考えます。
例えば「家族と同じ料理を食べたい」「仕事で夕食が遅い」「惣菜を使う日が多い」といった事情もお伝えください。食事療法は適切な量と栄養のバランスが基本であり、病状や合併症によって調整は異なります。(※4)
「厳しく制限されるのでは」と構える方もいらっしゃるでしょう。大切にしたい食事の楽しみや、変えるのが難しいことも含めて相談しましょう。
帰る前には「家で取り組むこと」「本人が希望する手伝い」「次に確認すること」を整理すると、家庭で同じ説明を何度も繰り返す負担を減らす助けになります。
家族の役割は、血糖値の責任を一人で背負うことではありません。ご本人が治療を続けられるよう、医療者も含めて支えていきましょう。

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参考文献・参考資料
- ※1 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「家族や大切な方が糖尿病といわれたら」。
- ※2 日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン2024』第7章「糖尿病の自己管理教育と治療支援」。
- ※3 CDC. Helping Friends and Family With Diabetes. 2024.
- ※4 糖尿病情報センター「糖尿病の食事のはなし(基本編)」。
「心配なのに、うまく伝わらない」。その悩みもお聞かせください。ご本人と相談のうえ、糖尿病外来をご予約ください。千葉県長生郡長生村のあまが台ファミリークリニックは、千葉市、茂原市から通院可能です。
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