「睡眠時無呼吸の検査では異常なしと言われた。それなのに、昼間は眠くて仕事に集中できない」
「軽症だから様子を見てよいと言われたけれど、家族には今も息が止まっていると言われる」
もう一度相談したいけれど、「検査で大丈夫だったのに、気にしすぎだと思われないかな」と迷っていませんか?
検査結果は大切な情報ですが、症状が続いているなら、結果と今の困りごとを合わせて相談してかまいません。この記事では、自宅の簡易検査を受けた後も眠気が残る方に向けて、次に確認したいことを整理します。
皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。
私は医師歴25年の家庭医療専門医です。日本睡眠学会に所属し、当院では睡眠時無呼吸症候群に関する診療を年間延べ約1,500名行っています。睡眠だけでなく、持病やお薬、日々の生活も含めて、体調を総合的に確認することを大切にしています。

「異常なし」と「軽症」は、同じ意味ではありません
目次
まず確認したいのは、どの検査を受け、どのような説明だったかです。
- 自宅で指や鼻などにセンサーをつける簡易検査だった
- 脳波も測る精密検査を受けた
- 「無呼吸は認めない」ではなく「軽症」「今はCPAPの対象ではない」と説明された
「CPAPを使わない」という説明を、「睡眠には何も問題がない」と受け止めていることもあります。
しかし、診断と治療の選び方は別の話です。検査の種類や数値、症状を確認して、説明の意味を整理しましょう。(※1)
「前の先生の判断が間違っていたのでしょうか?」と心配になるかもしれません。それだけで判断が誤っていたとはいえません。検査にはそれぞれ役割があり、時間の経過や追加の情報によって、次の確認が必要になることがあります。
自宅の簡易検査では、何を調べているの?

一般的な簡易検査では、機器に応じて、呼吸の流れ、血液中の酸素の状態、脈拍などを記録し、睡眠中の呼吸の乱れを調べます。自宅で受けられる、負担を抑えた検査です。(※1)
一方、多くの簡易検査は脳波を測らないため、実際に眠っていた時間や睡眠の段階を詳しく評価することはできません。
起きている時間が評価時間に含まれると、1時間あたりの呼吸の乱れが実際より少なく算出されることがあります。(※2)
簡易検査は呼吸の問題を調べる検査であり、眠気の原因をすべて調べる検査ではありません。「異常なし」という結果だけで、今のつらさまで否定されるわけではないのです。
再相談するときは「検査した夜」と「今の症状」を伝えましょう

検査した夜について、覚えていること
- 機器が気になり、いつもより眠れなかった
- 途中でセンサーが外れたり、ずれたりした
- 普段と違う寝方だった
- 夜中に何度も起きた、起床後もしばらく機器をつけていた
これらがあったからといって、検査がすべて無効になるわけではありません。記録の状態と合わせて、医師が結果を読み取るための情報になります。(※1・2)
また、睡眠中の呼吸の乱れは、毎晩まったく同じではありません。複数の夜を調べた研究でも、日によって重症度の判定が変わる人がいることが報告されています。(※3)
現在の症状は「どの場面で困るか」を具体的に
- 会議中や仕事中に、意図せず眠ってしまう
- 睡眠時間を確保しても、日中の眠気が続く
- 家族から、息が止まる・苦しそうに呼吸すると繰り返し言われる
- 検査を受けた頃より、症状や体重、服薬内容が変わった
例えば「眠いです」に加えて、「週に何度か、午前中の会議でも寝落ちします」と伝えると、生活への影響が分かりやすくなります。眠気で日常生活に支障があること自体が、受診を考える理由になります。(※4)
運転中に眠くなる、居眠りしそうになる場合は、運転を控え、早めに医療機関へ相談してください。受診時も、ご家族の送迎や公共交通機関などを利用しましょう。眠気は事故につながるおそれがあります。(※5)
再検査が必要か、まずは相談してみませんか?
検査を受け直すか決めてから来院する必要はありません。受診の流れを確認したい方、症状を相談したい方は、こちらをご利用ください。
詳しい検査を考えるのは、どんなとき?
睡眠時無呼吸が疑われて簡易検査を受けたものの、結果が陰性、判定困難、あるいは記録不十分だった場合、米国睡眠医学会の診断ガイドラインでは、精密検査である終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行うことが推奨されています。(※1)
PSGは、呼吸や酸素に加え、脳波などを記録して睡眠の状態を詳しく調べる検査です。必要な検査の種類や実施場所は、症状や持病を踏まえて判断します。(※5)
「また同じ検査を何度も受けるのでしょうか?」という不安もありますよね。まずは以前の結果を確認し、詳しい検査に進むのか、別の原因を調べるのかを整理します。陰性なのに症状が続くとき、簡易検査を繰り返すだけでよいとは限りません。
大切なのは、無呼吸があるはずだと決めつけず、必要な検査を選ぶことです。すでにPSGを受けている方も、その結果を持参してご相談ください。
眠気の原因を、睡眠時無呼吸だけに決めつけない

無呼吸以外にも眠気の原因はあります。診察では、次のような点を確認します。(※4・6)
- 睡眠時間や生活リズム:平日の睡眠不足、夜勤、寝る時刻のばらつきなど
- 薬や飲酒:眠気が出る薬の使用、薬を変更した時期、飲酒の量や時間など
- ほかの睡眠の病気:脚の不快感で眠りが妨げられる、十分寝ても強い眠気が出るなど
- 体調の変化:気分の落ち込みや持病の状態など
「十分寝ているつもりなのに」と感じる場合も、責める必要はありません。布団に入っている時間と、実際に眠っている時間には違いがあるため、睡眠の記録が手がかりになります。(※6)
また、「眠くて寝てしまう」のか、「眠くはないけれど体がだるい」のかも伝えてください。眠気と疲労感は同じではなく、確認する方向が変わります。(※4)
お薬が気になっても、自己判断で中止せず、お薬手帳を持って相談しましょう。必要に応じて検査や睡眠専門の医療機関への紹介を検討します。
以前の検査結果があれば、持参してご相談ください

受診前にすべて準備できていなくても大丈夫です。手元にある範囲で、次のものをご用意ください。
- 以前の検査結果:結果の用紙、受けた時期、医療機関名
- お薬手帳:市販の風邪薬やアレルギー薬、サプリメントも含む
- 睡眠のメモ:寝た時刻、起きた時刻、昼寝、眠くなる場面
- ご家族からの情報:いびき、呼吸の止まり方、いつ頃から続いているか
当院ではまず、症状とこれまでの検査内容を確認します。そのうえで、睡眠習慣や薬の見直し、追加の検査など、次の方針を相談します。相談したからといって、その場でCPAP治療を始めると決まるわけではありません。
「受診するほどか分からない」という段階でも、困っていることをそのままお話しください。忙しくて来院が難しい場合は、睡眠時無呼吸についてオンライン初診での相談も可能です。診察や検査の内容によって対面受診をご案内します。CPAPを導入する場合は、機器のお渡しと説明のため来院が必要です。

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以前の検査結果と今の症状を合わせて、次に確認することを一緒に整理します。結果が手元になくても、受診をためらう必要はありません。
電話:050-3108-1705
千葉市、茂原市から通院可能です。

参考文献
- ※1:Kapur VK, et al. Clinical Practice Guideline for Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea: An American Academy of Sleep Medicine Clinical Practice Guideline. J Clin Sleep Med. 2017;13(3):479–504. doi:10.5664/jcsm.6506.
- ※2:Bianchi MT, Goparaju B. Potential Underestimation of Sleep Apnea Severity by At-Home Kits: Rescoring In-Laboratory Polysomnography Without Sleep Staging. J Clin Sleep Med. 2017;13(4):551–555. doi:10.5664/jcsm.6540.
- ※3:Punjabi NM, et al. Variability and Misclassification of Sleep Apnea Severity Based on Multi-Night Testing. Chest. 2020;158(1):365–373. doi:10.1016/j.chest.2020.01.039.
- ※4:NHS. Excessive daytime sleepiness (hypersomnia). 2023年6月23日更新.
- ※5:National Heart, Lung, and Blood Institute(NHLBI). Sleep Studies. 2022年3月24日更新.
- ※6:National Heart, Lung, and Blood Institute(NHLBI). Sleep Apnea: Diagnosis. 2025年1月9日更新.
本記事は一般的な情報です。検査や治療の必要性は、症状・持病・検査結果を踏まえて個別に判断します。

