「糖尿病と言われたら、白いご飯はもう食べない方がいいのでしょうか?」
「ご飯を100gまで減らしています。でも、本当にこれで合っていますか?」
「玄米ならたくさん食べても大丈夫?」
このようなことで悩んでいませんか?
結論からお伝えすると、糖尿病だからといって、白いご飯を一律に禁止する必要はありません。
ただし、
「白いご飯を食べていいか」よりも、「自分に合った量をどのような食事の中で食べるか」の方が大切です。
そして、「1食100gなら安全」「150gまでは大丈夫」と、すべての方に共通する量が決まっているわけでもありません。
皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。
私は医師歴25年の家庭医療専門医で、日本糖尿病学会正会員として、年間約5,000人の糖尿病患者さんを診察しています。
糖尿病の診察をしていると、
「先生、ご飯は何gまでですか?」
という質問を本当によくいただきます。
白いご飯は日本人の主食であり、また炊きたてのご飯をお肉やお魚と一緒に食べたときのあの感覚は、本当に美味しいですよね。
ただ、糖尿病の方にとっては、毎日口にする(毎日取り入れる)分だけ、しっかりとした知識を持っておくことが必要な食品でもあります。
この記事では、白いご飯100g・150g・200gでは何が違うのか、玄米やもち麦に変えればよいのか、血糖値を上げにくくするにはどんな食べ方をすればよいのかまで、分かりやすく解説します。

目次
- 糖尿病でも白いご飯は食べていい?
- 結論|白いご飯をゼロにする必要はありません
- 白いご飯100gには、どのくらい糖質が入っている?
- では、糖尿病なら1食何gまで食べていい?
- 「全員150gまで」のような決まりはありません
- 「ご飯を完全に抜けばHbA1cは下がる」は正しい?
- 白いご飯を食べるなら、血糖値を上げにくくする5つのコツ
- 1|大盛りではなく「自分で決めた量」を盛る
- 2|ご飯だけで食事を終わらせない
- 3|「野菜から食べれば大盛りでも大丈夫」とは考えない
- 4|玄米・もち麦などを上手に取り入れる
- 5|食後に少し体を動かす
- 白いご飯だけではなく「血糖値を下げる生活全体」を考えましょう
- こんな方は「ご飯を何gにするか」より先にHbA1cを確認してください
- 当院では「ご飯を食べないでください」で終わる食事指導はしません
- 国家資格をもつ管理栄養士5名が食生活をサポートします
- 糖尿病と白いご飯についてよくある質問
- まとめ|糖尿病でも白いご飯は禁止ではありません
- 関連ブログ
- 参考文献
糖尿病でも白いご飯は食べていい?
結論|白いご飯をゼロにする必要はありません
糖尿病になったからといって、
- 白米は禁止
- ご飯は一生食べない
- 炭水化物はできるだけゼロにする
と考える必要はありません。
「でも、ご飯を食べると血糖値が上がりますよね?」
もちろん、その疑問はもっともです。
白いご飯には炭水化物が多く含まれているため、食べれば食後血糖値には影響します。
しかし、糖尿病の食事療法は、特定の食品をすべて禁止することが目的ではありません。
日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドライン2024でも、糖尿病の血糖コントロールのために食事療法が推奨されていますが、その内容は一律ではなく、患者さんの状態に合わせて考える必要があります。(※1)
つまり、
「ご飯を食べるか、食べないか」の二択ではなく、「自分にはどのくらいの量が適切か」を考えることが重要です。
糖尿病で「食べてはいけないもの」が気になる方へ
白米だけでなく、パン・麺類・お菓子など、糖尿病の食事で何に注意すればよいのかをまとめています。
白いご飯100gには、どのくらい糖質が入っている?
「ご飯100g」と言われても、血糖値にどのくらい影響するのかイメージしにくいですよね。
文部科学省の日本食品標準成分表によると、炊いた白いご飯100gには、
- エネルギー:約156kcal
- 利用可能炭水化物:約38.1g
- 食物繊維:約1.5g
が含まれています。(※2)
量を増やすと、おおよその目安は次のようになります。
100g
約156kcal
利用可能炭水化物 約38g
150g
約234kcal
利用可能炭水化物 約57g
200g
約312kcal
利用可能炭水化物 約76g

こうして並べると分かりやすいと思います。
100gと200gでは、同じ「ご飯1杯」でも摂取する炭水化物量は大きく変わります。
特に、
- 大盛りご飯
- 丼もの
- カレーライス
- チャーハン
- おかわり
などは、ご本人が思っている以上にご飯量が多くなっていることがあります。
白米そのものを悪者にするより、まず「自分が何g食べているか」を知ることが血糖管理の第一歩です。

では、糖尿病なら1食何gまで食べていい?
「全員150gまで」のような決まりはありません
ここが、この記事で一番知りたいところだと思います。
「結局、100gですか?150gですか?」
結論として、糖尿病患者さん全員に共通する「1食○gまで」という上限はありません。
必要な食事量は、
- 身長
- 体重
- 年齢
- 仕事や運動などの活動量
- 減量が必要かどうか
- HbA1c
- 腎臓などの合併症
- 使用している糖尿病薬やインスリン
などによって違うからです。

糖尿病情報センターでも、1日に必要なエネルギー量は、身長、身体活動量、年齢、合併症などによって異なると説明されています。(※3)
実際、同センターの1600kcalの献立例では、ご飯150gを取り入れた夕食例があります。(※3)
しかし、これは、
「糖尿病なら150gまで食べれば安全」という意味ではありません。
あくまで1日の総エネルギー量や炭水化物配分を設定した献立の一例です。
迷ったら、まずここを確認してください
「何gが正解か」を探す前に、今食べているご飯を一度量ってみましょう。
いつもの茶碗が100gなのか、150gなのか、200g以上なのかが分かるだけでも、改善点が見つかることがあります。
「ご飯を完全に抜けばHbA1cは下がる」は正しい?
「血糖値を下げたいなら、ご飯をやめれば一番早いのでは?」
そう考える方もいらっしゃると思います。
確かに、炭水化物の摂取量は食後血糖に影響します。
しかし、
ご飯だけを極端に減らせば糖尿病治療がうまくいく、というほど単純ではありません。
ご飯を減らした反動で、
- お腹が空いて間食が増える
- 肉や脂質の多い料理が増える
- 夜にお菓子を食べる
- 長続きせずリバウンドする
ということもあります。

「ご飯を減らしたのにHbA1cが下がらない」
という場合は、ご飯だけではなく、
- 甘い飲み物
- 間食
- 麺とご飯の重ね食べ
- 夕食の量
- 運動不足
- 体重
- 睡眠
- 薬の内容
まで見直す必要があります。
「ご飯を減らしているのに血糖値が高い」という方へ
白いご飯を食べるなら、血糖値を上げにくくする5つのコツ

1|大盛りではなく「自分で決めた量」を盛る
まず一番効果を実感しやすいのが、量を決めることです。
炊飯器からその都度追加すると、ご飯の量が分からなくなります。
一度キッチンスケールで量を測り、
「自分の茶碗では、このくらいが150g」
と見た目を覚えておくと実践しやすくなります。
2|ご飯だけで食事を終わらせない
忙しい時に、
- おにぎり2個だけ
- 卵かけご飯だけ
- お茶漬けだけ
- 丼ものだけ
になっていませんか?
こうした食事は、炭水化物中心になりやすくなります。
ご飯を食べる場合は、
- 魚
- 肉
- 卵
- 豆腐や納豆
- 野菜
- きのこ
- 海藻
などを組み合わせて、主食・主菜・副菜をそろえることを意識してください。
3|「野菜から食べれば大盛りでも大丈夫」とは考えない
「野菜から食べれば、最後にご飯をたくさん食べても大丈夫ですよね?」
この質問もよくいただきます。
野菜や食物繊維を含む食品を食事に取り入れることは大切です。
ただし、
食べる順番を工夫しても、ご飯そのものの量が多すぎれば、摂取する炭水化物がなくなるわけではありません。
「食べる順番」と「ご飯の量」の両方を見ることが大切です。
4|玄米・もち麦などを上手に取り入れる
「それなら白米を玄米に変えれば、いくら食べてもいいですか?」
残念ながら、そういうわけではありません。
玄米やもち麦などを取り入れることで、白米だけの場合より食物繊維を増やしやすくなります。
また、日本糖尿病学会のガイドラインでは、2型糖尿病の血糖コントロールに低GI食が有効とされ、推奨グレードBとされています。(※1)
ただし、玄米やもち麦にも炭水化物とエネルギーがあります。
「白米から変えたから量は無制限」ではなく、主食量そのものも考えることが大切です。
いきなり全部玄米に変えるのが難しければ、
- 白米にもち麦を混ぜる
- 白米に雑穀を混ぜる
- 週に何回か玄米にする
といった方法でも構いません。
5|食後に少し体を動かす
食事だけでなく、食後の身体活動も血糖管理には大切です。
例えば、
- 食後に10分程度歩く
- 家事をする
- 少し遠い場所まで歩く
など、無理なくできるところから始めてください。
大切なのは、「完璧な食事」にすることではなく、続けられる改善を積み重ねることです。
白いご飯だけではなく「血糖値を下げる生活全体」を考えましょう
ここまで読むと、
「ご飯の量だけ気をつければいいんだ」
と思うかもしれません。
しかし、糖尿病の血糖管理はそれだけでは決まりません。
食事だけでも、
- 主食量
- おかず
- 間食
- 飲み物
- 食べる時間
があります。
さらに、
- 運動
- 体重
- 睡眠
- 薬
もHbA1cに影響します。
「白米を100gにしたから安心」ではなく、自分の生活全体を見ていくことが重要です。
血糖値を改善するために、次に読んでいただきたい記事

こんな方は「ご飯を何gにするか」より先にHbA1cを確認してください
この記事で、特にお伝えしたいことがあります。
もし次のような状態なら、ご飯を5g、10g単位で減らすことだけに集中するより、まず今の糖尿病の状態を確認することが大切です。
- 健康診断で血糖値が高いと言われた
- HbA1cが高いと言われた
- 糖尿病の疑いと言われたまま受診していない
- ご飯を減らしているのにHbA1cが改善しない
- 糖尿病の薬を飲んでいるのに血糖値が高い
- 食事制限がつらく、何を食べればよいか分からない
- ご飯や炭水化物をほとんど食べない生活になっている
このような方では、白米だけではなく、血糖値、HbA1c、体重、薬、食事全体などを一度整理することをおすすめします。
自分のHbA1cや血糖値がどの程度なのか確認したい方へ
当院では「ご飯を食べないでください」で終わる食事指導はしません
糖尿病の食事療法について、
「病院に行ったら、ご飯を減らせと言われるだけなのでは?」
と思っている方もいるかもしれません。そのような不安を持つのも無理はありません。
しかし、患者さんの生活は一人ひとり違います。外で体を動かす仕事の方と、1日中デスクワークの方では必要な食事量は違います。
100gで十分な方もいれば、それでは少なすぎる方もいます。
だからこそ、
「糖尿病だから一律にご飯○g」ではなく、その方のHbA1c、体格、活動量、体重、治療内容を見ながら考えることが重要です。
国家資格をもつ管理栄養士5名が食生活をサポートします
当院では、国家資格をもつ管理栄養士5名の体制で、糖尿病の食事療法をサポートしています。

栄養指導では、
- いつものご飯は何gか
- 外食では何を食べているか
- 仕事中の昼食はどうしているか
- 夕食は何時なのか
- 間食や飲み物はどうか
- 無理なく続けられる変更は何か
など、実際の生活を確認しながら考えていきます。
「理想的だけれど続かない食事」ではなく、
半年後、1年後も続けられる方法を見つけることが大切だと考えています。
「ご飯を何gにすればいいのか分からない」という方へ
HbA1cや体重、普段の食事、活動量などを確認しながら、あなたに合った糖尿病治療を考えていきます。
糖尿病と白いご飯についてよくある質問

まとめ|糖尿病でも白いご飯は禁止ではありません
最後にポイントをまとめます。
- 糖尿病でも白いご飯を一律に禁止する必要はありません
- ご飯100gは約156kcal、利用可能炭水化物は約38gです
- 「1食○gまで」という全員共通の上限はありません
- 必要量は体格、活動量、体重、HbA1c、治療内容などによって変わります
- 白米だけで食べず、主菜・副菜を組み合わせましょう
- 玄米やもち麦に変えても量が無制限になるわけではありません
- ご飯だけではなく、飲み物・間食・運動・体重・睡眠・薬まで含めて考えることが大切です
この記事で一番お伝えしたいのは、
「糖尿病だからご飯を我慢する」のではなく、自分に合った量を知って、長く続けられる食べ方を見つけてほしいということです。
健康診断で血糖値やHbA1cを指摘された方や、ご飯を減らしているのにHbA1cが改善しない方は、一度ご自身の糖尿病治療全体を整理してみてください。
「ご飯をどのくらい食べていい?」を一人で悩んでいる方へ
HbA1cや体重、活動量、普段の食生活を確認しながら、あなたに合った糖尿病治療を一緒に考えます。
国家資格をもつ管理栄養士5名も食生活をサポートしています。

関連ブログ





参考文献
※1 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024 第3章 食事療法」
https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/03_1.pdf
※2 文部科学省 食品成分データベース「穀類/こめ/水稲めし/精白米/うるち米」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01088_7
※3 糖尿病情報センター「糖尿病の食事のはなし(献立編)」
https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/080/02-3.html

