「飲んだかどうか分からなくなる」「次の診察で、また飲めていないと言いづらい」
——そんな悩みはありませんか。
仕事や家事、介護をこなしながら、毎日の薬まで気を配るのは大変ですよね。
飲み忘れが続くときは、自分を責める前に「今の生活で続けられる方法」を相談してください。
皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。
医師歴25年の家庭医療専門医で、日本糖尿病学会正会員として、年間延べ約5,000人の糖尿病の患者さんを診察しています。

この記事では、飲み忘れを繰り返す場面の見つけ方と、診察で相談するポイントをお伝えします。
今まさに飲み忘れに気づいた方へ:
取り戻そうとして2回分をまとめて飲まないでください。
薬ごとに対応が異なるため、薬の説明書や事前の指示を確認し、分からないときは処方元・薬剤師へ連絡してください。
飲んだか曖昧なときも、推測で追加せず確認しましょう。(※1・※2)
目次
飲み忘れが多いときは「いつ・なぜ」を一つ見つけましょう
飲み忘れの対策は、原因によって変わります。まずは直近の数日を振り返り、当てはまる場面を探してみてください。(※1)
- 昼休みが短い、会議が長引くなど、食事の時間がずれる
- 外出先に薬を持っていない
- 夜勤や休日で、起床・食事のリズムが変わる
- 薬の種類が多く、どれを飲んだか分からなくなる
- 副作用や低血糖が心配で、飲むのをためらう
「忘れるだけなので、もっと気をつければいいですよね」と考える方もいるでしょう。
自分で何とかしたいお気持ちは分かります。ただ、昼休みが取れない日に、気合いだけで解決するのは難しいものです。
「飲めていません」だけでなく、「昼休みがずれる日に忘れます」と伝えると、相談が具体的になります。
飲み忘れなのか、不安から控えているのかも、隠さず教えてください。

思い出す工夫と「飲んだ記録」を組み合わせる
まず一つだけ、続けられそうな工夫を選びましょう。アラームなどで思い出す工夫に加えて、服用した事実を残すと、後から確認しやすくなります。(※1)
- スマホや時計で、処方された服用時刻にお知らせを設定する
- 実際に飲んだ直後に、紙やアプリへチェックする
- 外出前の持ち物確認に薬を加える。持ち歩き方・保管条件は薬剤師に確認する
- 薬が多いときは、服薬カレンダーや一包化が使えるか薬局で相談する

「アラームを止めたあと、結局忘れるんです」という方もいますよね。
その場合は、お知らせを増やすより、どの場面なら服用できるのかを診察で確認しましょう。
アラームを止めたことと、薬を飲んだことは別です。
記録は実際に飲んだあとにつけます。
食前・食直前・食後などの指定を、自己判断で別の時刻に変えてはいけません。
薬によって食事との関係や服用条件が違うためです。(※2)
また、包装から出して保管できない薬もあるため、すべての薬を自己判断でピルケースへ移さず、薬剤師に確認してください。
工夫しても続かないときは、そのままご相談ください
「昼の薬だけ難しい」「薬が余ってしまう」。それも治療を考えるための大切な情報です。まずは当院の診療内容をご覧ください。

診察では「お薬手帳・生活の流れ・困る場面」を伝える
「飲めていないと、叱られるのでは」と心配で言い出しにくいかもしれません。
私は、できなかった理由を責めるためではなく、治療が生活に合っているかを知るために伺いたいと考えています。
例えば、診察の最初にこのように伝えてみてください。
「治療は続けたいのですが、仕事の日に昼の薬を忘れます。今の生活で続けやすい方法を相談したいです」
準備は完璧でなくて構いません。次の情報があれば、相談が進めやすくなります。
- お薬手帳:他院の薬、市販薬・サプリメントも分かるようにする
- 生活の流れ:起床、食事、勤務、就寝のおおよその時刻。夜勤があれば勤務表も
- 困る場面:いつ、どの薬を、どのくらい忘れるか。分からなければ「回数は不明」で大丈夫
- 余っている薬の数、気になる症状、最近の検査結果。血糖測定をしている方はその記録
飲めていない日があることを知らないままだと、医師が薬の効き方を判断しにくくなります。
受診直前だけ取り繕おうとせず、普段の状況を伝えてください。
記録をそろえるために受診を先延ばしする必要もありません。

薬の回数・タイミング・負担は、見直せるか相談できます
薬の錠数や服用回数が負担なら、処方の組み合わせを整理できるか、服用時刻を調整できるかなどを検討する余地があります。
ただし、病状や薬によって可能な方法は異なります。(※1・※2)
「相談したら、薬を増やされるだけでは?」
という不安もありますよね。
必ず減らせるとは言えませんが、必要な治療効果・安全性と、日々の続けやすさを一緒に考えることはできます。
治療目標は、低血糖の危険性や合併症、サポート体制なども踏まえて個別に設定します。(※3)
- 服用の回数・タイミング:勤務や食事の予定に無理なく組み込めるか
- 保管・整理:薬局と連携し、取り違えや重複を防ぐ方法を考えられるか
- 費用・副作用への不安:続ける妨げになっていることは何か
当院は、国家資格をもつ管理栄養士5名体制で食事の相談にも対応しています。
食事時間が不規則な方には、食べられる時間や食事量の困りごとを伺います。
薬の変更は医師が判断し、保管や一包化は薬剤師と相談しながら進めましょう。

他院で治療中の方も、まずは現在の主治医や薬剤師に相談できます。
当院での相談を希望される場合は、お薬手帳と、お持ちであれば最近の検査結果をご持参ください。
よくある質問
冷や汗・手の震えなど低血糖が疑われる場合は、事前に教わった対処を行い、改善しなければ速やかに医療機関へ。意識がおかしい、けいれんしている場合は119番へ連絡し、無理に飲食させないでください。嘔吐が続くなど強い体調不良も、通常のWEB予約を待たず相談してください。(※4・※5)
飲み忘れを相談することから、続けられる治療へ
「ちゃんと飲めるようになってから受診しよう」と思わなくて大丈夫です。うまく続けられていない今の状況こそ、診察で教えてください。数値だけでなく、生活のどこで困っているかを伺い、次に試す方法を一緒に考えます。

「また忘れてしまった」を、一人で抱えないでください
ご相談は「薬を続けたいけれど、今の方法では難しい」のひと言からで構いません。あまが台ファミリークリニックは千葉県長生郡長生村にあります。千葉市、茂原市から通院可能です。
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参考文献・参考資料
- ※1 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「糖尿病の薬とうまくつきあっていくために」(2024年10月24日更新・確認)。
- ※2 同「血糖値を下げる飲み薬」(2024年10月24日更新・確認)。
- ※3 日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン2024』第2章「糖尿病治療の目標と指針」。
- ※4 国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「低血糖」(2021年12月1日再改定版)。
- ※5 同「シックデイ」(2025年10月23日更新)。
資料確認日:2026年11月5日。本記事は一般的な情報です。服用方法や飲み忘れ時の対応は、ご自身の処方に合わせて医師・薬剤師へ確認してください。

